2017 Fiscal Year Research-status Report
病院関連統計を活用したパネルデータ分析による医療経営戦略研究:医療版PIMS研究
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15K15252
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福田 治久 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30572119)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 医療経営学 / 計量経営学 / 経営戦略 / 自治体病院 / 国立病院機構 / 財務諸表 / 病床機能報告 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,本研究課題である「病院経営戦略の違いが財務指標・臨床指標に与える影響」を評価するためにこれまで蓄積してきた複数の病院関連統計情報を更新する作業と新たなデータ取得を行った.具体的には以下の統計情報を更新および取得した. 【(1) 病床機能報告制度データ】平成28年度に構築した2014年度データから,平成29年度は2015年度データおよび2016年度データを更新した.年度によって統計情報の変更が認められたため,年度間で共通の変数をリンケージするために変数名フラグを付加する作業を行った.また,年度間で同一施設情報を突合するために病院IDを付加した. 【(2) 病院情報の公表データ】DPC対象病院における機能評価係数に導入されている2015年度分および2016年度分の「病院情報の公表」データ収集した.この統計情報は,年齢階級別退院患者数,診断群分類別患者数等,初発の5大癌のUICC病期分類別ならびに再発患者数,成人市中肺炎の重症度別患者数等,脳梗塞のICD10別患者数等,診療科別主要手術別患者数等,その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)のデータを各施設ウェブサイトにおいて公表されている.平成29年度は,各施設のウェブサイトからこれらデータを収集した. また,これまで蓄積してきたデータを用いて,「自治体病院病院再編による経営改善効果に関する研究」および「同一政令指定都市に所在する自治体病院と国立病院の経営比較」を行うことで,自治体病院の統合効果や自治体病院の経営的課題を明らかにするための知見を産出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始時の計画では,平成29年度において,平成28年度までに構築した病院関連統計データのパネルデータを用いて,病院経営戦略の違いが財務指標・臨床指標に与える影響について検証する予定であった.しかしながら,平成29年度は他業務が発生したことから,解析を行うための十分な時間を確保することができず,予定していた解析を行うことができなかった. しかしながら,2015年度および2016年度の病床機能報告制度のデータを更新し,DPC病院における病院情報の公表データを新規取得することで,病院関連統計データベースの拡張は行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度までに,最も大きな労力を要する研究データベースの構築などの研究基盤の整備を完了させていることから,平成30年度はデータ解析を重点的に実施できる予定である.
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Causes of Carryover |
(理由) 平成29年度は,当初予定していたデータ解析と研究成果の公表を行うことができなかったことから,これらの研究経費が執行されなかった.平成30年度に研究成果の公表までを行うことから,次年度使用額は当初の目的通りに執行できる予定である. (使用計画) 研究成果は国内学会での発表と英文雑誌への投稿を予定している.学会発表のための旅費と論文投稿費用により支出する予定である.
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Research Products
(1 results)