2016 Fiscal Year Research-status Report
電気電導体繊維の渦電流変化を利用した閉創前遺残ガーゼ感知システムの構築
Project/Area Number |
15K15258
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
檜 顕成 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (90383257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川内 聡子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター 生体情報・治療システム研究部門, 助教 (20506505)
山本 順司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 外科学, 教授 (40342654)
長谷 和生 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 外科学, 教授 (50511268)
谷水 長丸 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 外科学, 准教授 (70197531)
木下 学 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 免疫・微生物学, 准教授 (70531391)
佐藤 俊一 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター 生体情報・治療システム研究部門, 教授 (90502906)
内田 広夫 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40275699)
棚野 晃秀 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10411539) [Withdrawn]
田井中 貴久 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (30378195)
城田 千代栄 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20378194)
小野 聡 東京医科大学, 医学部, 教授 (30531355)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リスクマネジメント / 遺残ガーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
手術時に体内に残存しても短時間で体外より検知できる閉創前ガーゼ感知システムの構築を試みた。ガーゼ感知デバイス及び感知ガーゼを数種類試作し、閉創前に感知ガーゼに含まれる渦電流の変化を検出することで遺残ガーゼを検知してきた。検出距離が30㎝とれる点と、電気伝導体繊維の溶出試験でAgの安全性を再認識できた点で、当初の計画通りに本研究開発は進行している。 電気伝導体繊維の体内模擬環境(人工血漿を使用 抽出温度37度 CO2濃度 5% 抽出期間7日)における分解動態の検索では、検査開始後、0日、4日、7日で Ag 以外の析出物は無く、抽出液のPHも問題なく、検体表面の気泡なども認めなかった。このデータは感知ガーゼを体内で使用できる可能性を示唆するものであった。実際には約30㎝離れた部位の渦電流の変化を捉えることで、感知ガーゼを検出できるようになったが、感知ガーゼ以外から発生するの環境中の渦電流変化を感知する(擬陽性)ことが問題となっており、現状では確実なシステムとは言えない。 今後の研究方針としては渦電流変化に着目しつつ、ガーゼ中の電気伝導体繊維の形状および配置パターンの最適化、感知デバイスの改良が必要となる。擬陽性、偽陰性のない確実なシステムになった段階で聴覚と視覚に同時に訴えるガーゼ感知デバイスの試作器作製に力を入れていきたい。本システムが臨床応用されれば医療事故を未然に防ぐことができるかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
手術用ガーゼの検出方法、検出距離を確認できている点、および電気伝導体繊維の溶出試験で毒性物質を認めなかった点で、当初の計画通りに進行している。 感知ガーゼの医療機器としての安全性・信頼性を保証することが目的である。実際には手術時に体内に残存しても短時間で体外より検知できる閉創前ガーゼ感知システムを構築する。現在までの予備実験では、電気伝導体繊維を含むガーゼ検出において約30㎝の距離を検知できている。更にガーゼに含まれる電気伝導体繊維の基礎物性試験(溶出試験)を実施した。電気伝導体繊維を封入した手術用ガーゼは手術ガーゼの使いやすさを損なわない性状、形体のもので、約30㎝離れた部位から検出できた。ガーゼ感知デバイスは携帯式で操作性が良く閉創前の遺残ガーゼ検出に有効であったが、環境要因に左右されることも分かった。更に使用予定の電気伝導体繊維の基礎物性試験(溶出試験)を行った。 本システムが臨床応用されれば医療事故を未然に防ぐことができるかもしれない。
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Strategy for Future Research Activity |
製品化を目指した、手術用ガーゼに含まれる電気伝導体繊維の形状および配置を検討する。最終的には感知ガーゼの医療機器としての安全性・信頼性を保証することが目的である。ただし、現状のシステムでは検知距離を上げると環境要因により擬陽性を認めることもある。今後の研究方針としては渦電流変化に着目しつつ、ガーゼ中の電気伝導体繊維の形状・配置パターンの最適化、感知デバイスの改良が必要となる。擬陽性、偽陰性のない確実なシステムになった段階で聴覚と視覚に同時に訴えるガーゼ感知デバイスの試作器作製に力を入れていきたい。
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Causes of Carryover |
ガーゼ中の電気伝導体繊維の形状・配置パターンの最適化、感知デバイスの改良に時間を要した。本システムの開発の段階で、ガーゼ検知機能が環境要因に左右されることが判明した。その後開発の方向性が明確に決定できなかったためにシステムの開発が遅れ、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
検知システムの改良及び変更も含めて、システムの擬陽性、偽陰性のない確実なシステムになった段階で聴覚と視覚に同時に訴えるガーゼ感知デバイスの試作器作製に力を入れていく。
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