2016 Fiscal Year Research-status Report
内因性・外因性脳損傷診断マーカーの検討:COXの動態解析
Project/Area Number |
15K15260
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
猩々 英紀 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (60284626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬淵 正 山梨大学, 総合研究部, 助教 (80150308) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 頭部外傷 / シクロオキシゲナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
法医学において、脳損傷が内因性疾患或いは外傷性損傷に起因するかについて鑑別することは重要である。本研究ではシクロオキシゲナーゼ(COX)1及び2が内因性・外因性脳損傷鑑別診断分子マーカとして有用であるかについて検討している。当該年度は、平成27年度に引き続き頭部外傷モデルラット脳組織標本を用いて、1、外傷性脳損傷におけるCOXの発現様式について検討を行った。また、2、内因性脳損傷モデルを作成し、3次元画像解析条件の検討を行った。 1、外傷性脳損傷におけるCOX1及び2の発現様式 現在までの研究結果に基づき(抗体の特性、3次元画像解析条件など)、脳内COX1及び2発現細胞を同定し、発現様式を経時的(受傷3、6、12及び48時間後)に精査した。その結果、頭部外傷後の脳ではCOX1は主に神経細胞で発現していた。一方、COX2は神経細胞とマクロファージに発現していた。この様に、受傷後COX1及び2は共に神経細胞で発現が認められた。しかし、同一細胞での共発現は認められなかった。その他、COX1及び2の発現様式について幾つかの新たな知見が得られた。 2、内因性脳損傷モデル 上記の様に、外傷性脳損傷においてCOX1及び2は神経細胞で発現を認めた。そこで、脳卒中モデル神経細胞(内因性損傷)を作製した。即ち、ヒト神経芽細胞SH-SY5Y を神経細胞に分化誘導後、Oxygen-glucose deprivation 処理を実施し、脳卒中モデル神経細胞を作製した。また、測定及び3次元画像解析条件の検討を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究計画に従って、外傷性脳損傷と内因性脳損傷で比較検討を実施しており、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
外傷性脳損傷と内因性脳損傷におけるCOXの発現様式を比較し、内因性・外傷性脳損傷鑑別診断分子マーカーとして有用であるか検討する。また、研究期間最終年度である平成29年度に、研究成果の一部を取りまとめ国際誌に発表予定である。
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Causes of Carryover |
一部の消耗品で価格改定があったため、僅かな差額を生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究期間を通じて現在まで、ほほ研究計画通り使用しており、差額を含め平成29年度も研究計画に準じて使用する。
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