2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K15272
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
里 直行 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 分子基盤研究部, 部長 (70372612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 清一 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (40362727)
竹屋 泰 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70590339)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 認知症 / 糖尿病 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病とアルツハイマー病の間には相互的な病態修飾作用があることを我々は糖尿病合併アルツハイマー病マウスにおいて見出していたが、その機序の詳細はインスリン・シグナルなどが示唆されるもののいまだ未解明である。本研究では糖尿病とアルツハイマー病の合併モデルマウスにおける遺伝子発現変化の病態への因果関係を明らかにすることを目的とする。我々はβアミロイドに対して生体は恒常性維持機構を持っているが、糖尿病によってその恒常性維持機構が破綻するのではないかと考えており、その分子機序を明らかにするところが本研究の学術的な特色である。そしてその鍵となる分子はアルツハイマー病治療薬開発の基盤となることが予想され、成功した場合に非常に卓越した成果が期待できる。本年度は糖尿病合併アルツハイマー病モデル動物の解析により、アルツハイマー病に糖尿病が合併することで初めて発現が増加する遺伝子群を見出すことが出来た。その遺伝子の中には神経保護に関与する遺伝子が含まれており興味深い結果となった。現在、その遺伝子の発現解析およびノックアウトマウスの作成を開始しており、すでに2遺伝子のゲノム編集マウスの作成に成功した。その他、糖尿病のみで発現増加あるいは低下する遺伝子、アルツハイマー病で増加するものの糖尿病を合併することにより、コントロールのレベルまで低下する遺伝子などさまざまなパターンの遺伝子群を同定した。これらの遺伝子についてもさらなるvalidationおよびその変化の意義の解明を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は糖尿病合併アルツハイマー病モデル動物の解析により、アルツハイマー病に糖尿病が合併することで初めて増加する遺伝子群を見出し、さらにリアルタイムPCRによるvalidationも行い、また2遺伝子のゲノム編集マウスの作出に成功ことが出来たので研究は概ね順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
アルツハイマー病に糖尿病が合併することで初めて発現が増加する遺伝子の発現解析およびノックアウトマウスの作成をさらに他の遺伝子についても進め、解析をさらに進める。ノックアウトマウス作成成功後はアルツハイマー病マウスと掛け合わせることにより表現型を解析する。またさらにこの掛け合わせマウスに糖尿病を負荷することにより表現型がどう変化するかを解析する。
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Causes of Carryover |
研究の進捗は全体としては良好であるが当該年度に使用するとして計上した額と実際に使用した金額に差が生じた為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の進捗はおおむね良好であるので翌年度に使用する。
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Remarks |
代表研究者の里 直行がH28年9月1日に国立長寿医療研究センター 分子基盤研究部 部長として赴任致しました。
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Research Products
(9 results)