2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15K15278
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中島 淳 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30326037)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 慢性偽性腸閉塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性偽性腸閉塞症は、器質的疾患がないが長年にわたり腸閉塞症状を来す下部消化管運動障害の中で最も重篤な難治性疾患である。本疾患は外科的治療が無効で長期のイレウス管管理や小腸機能不全による長期中心静脈療法が必要になる。海外では小腸移植が行われる。QOLの向上ができ、在宅宅管理のできる新規治療法の開発が求められている。我々はたまたま胃瘻からの減圧チューブを長めに作成したところ減圧のみでは説明つかない極めて良好な治療効果があることを発見し、本疾患の新規治療として胃瘻からの長めのチューブ挿入(ステンティングチューブ)が新規治療法として有効である可能性の端緒をつかんだ。今回の研究ではまず挿入方法の確立を行った。慢性偽性腸閉塞症の患者は腸管の拡張が著明であり、胃前部は拡張腸管が覆い、内視鏡的に以内から腹壁に穿刺を行うことは困難であったため事前にイレウス管を挿入して減圧脱気後安全に行える方法を確立した。また、当初既存の60cm空腸チューブでは減圧が難しいことから特注の120cmのチューブの作成を行い実際に7名の患者への使用を行った。PEG -J120cmは内視鏡的に安全に挿入することが出来、計7例集積され、①有症状日数、②栄養状態(Alb値、BMI)、③3次元CTによる小腸容積、をPEG-J介入前後で比較した。その結果、治療後は治療前に比べて①有症状日数、②栄養状態(Alb値、BMI)が有意に改善した。本成果は当該分野のトップジャーナルであるNeurogastroenterology and motility誌にアクセプトされた。今回の新規治療法の確立は当該患者が入院せずに社会生活を維持できる画期的なものでありその意義は計り知れない。今後は長期の有効性及び有効性の検証を行う予定である。
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Research Products
(1 results)