2015 Fiscal Year Research-status Report
超高周波音響情報を用いた気分障害に対する非薬物療法開発のための生物学的検討
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15K15283
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| Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
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Principal Investigator |
本田 学 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第七部, 部長 (40321608)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 脳神経疾患 / トランスレーショナルリサーチ / 神経科学 / 脳・神経 / 情報環境 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
気分障害と認知症の行動・心理症状に対して、情報環境、特に音情報の適正化をはかることによってストレスを軽減し、従来の薬物治療を補完しつつその効果を飛躍的に高める新しい非薬物治療法として音響療法（ハイパーソニック・セラピー）を開発し、その臨床研究を実施している。本研究では、げっ歯類モデル動物を用いて、複雑に変化する超高周波振動情報が豊富に含まれる音情報が気分障害治療効果と予防効果を行動試験によって検討するとともに、脳内神経伝達物質の計測によって、音響療法の基盤となる作用機序の生物学的解明を目的とする。今年度は以下の研究を実施した。
①げっ歯類モデル動物をもちいた実験環境の確立：音環境の厳密な比較のため、高度な音遮蔽条件をもちつつ、それ以外の環境要因はできるだけ通常と同じになるように、特注の防音飼育箱を導入し飼育環境を構築した。また、超高周波空気振動を含む音を飼育ケージ内の動物に呈示するため、特別仕様の呈示装置を構築した。
②行動評価系の構築：複数の行動試験を組み合わせて総合的に評価する実験系を構築した。また、日常行動をビデオで記録して観察できるシステムを構築するとともに、活動の活発性や攻撃性などを評価する指標を抽出する。
③脳内神経伝達物質計測の実験系の確立：超高周波空気振動をモデル動物に呈示しながら、同時にドーパミンやセロトニンなどの脳内神経伝達物質をIn vivo microdialysis法によって計測する手法を確立した。
④上記の実験系を用いて、音響情報呈示がマウスの行動量や自然寿命に対する影響を評価する実験を実施した。その結果、熱帯雨林環境音の呈示下で飼育したマウスは、通常の暗騒音条件下で飼育したマウスより、寿命が統計的有意に延長することが示された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は、実験に必要な基盤技術を確立すること、すなわち、実験環境の確立、行動試験系および脳内神経伝達物質計測系を確立することが進捗目標であったが、それらについては予定通り完了した。加えて、健康なマウスの行動量や自然寿命に対する効果を検討し、統計的有意な寿命延長の結果を得ることができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
①うつ病モデル動物に対する治療効果の検討：慢性拘束ストレス負荷によって作成したうつ病モデル動物を、通常の環境下で飼育するグループと、超高周波振動情報を含む音を呈示しながら飼育するグループとの２つのグループにわける。前年度に検討した行動評価系によって、抑うつ症状の改善効果が見られるかどうかを、継続して比較・検討する。
②健常動物に対する予防効果の検討：健常な動物を、通常の環境下で飼育するグループと超高周波振動情報を含む音を呈示しながら飼育するグループとの２つのグループにわける。強制水泳テストによるストレス耐性試験などを行い、抑うつ症状の予防効果が見られるかどうか検討する。
③脳内神経伝達物質の計測による作用機序の検討：前年度に検討したin vivo microdialysis法およびPETをもちいて、超高周波振動情報を含む音をモデル動物に呈示しながら、脳内のドーパミン、セロトニンなどの神経伝達物質を計測する。
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| Causes of Carryover |
音響コンテンツの制作の一部が年度内に完成しなかったため、次年度に実施することとなった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
音響コンテンツの制作に使用する。
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Research Products
(2 results)
