2016 Fiscal Year Research-status Report
炎症性腸疾患の病態を修飾する腸内ウイルス叢を解明するメタゲノム解析
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15K15289
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
飯田 宗穂 金沢大学, 医学系, 助教 (40705604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 和哉 金沢大学, 附属病院, 助教 (00579633)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腸内微生物叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
健常者13名、炎症性腸疾患患者25名(潰瘍性大腸炎患者17名、クローン病8名)の便からDNAを抽出しwhole genome shotgun シーケンシング用のライブラリを作成した。ライブラリのサイズを確認の後にイルミナMIseqを用いてシーケンシングを行った。得られたリードからquality control、ヒトゲノム配列リードの除去、PCR複製の除去を行った。各サンプル100万リード以上が得られ、これを用いてMetavir2にて存在するウイルス配列の解析を行った。健常者群と潰瘍性大腸炎群のウイルス配列の比較を行い、有意に異なるウイルス配列について同定した。同時に便をマウスに移植し腸炎の発症について観察を行った。体重、病理、サイトカイン遺伝子のmRNA発現について評価を行った。炎症性腸疾患患者便移植マウスは健常者便移植マウスに比べ有意に体重が減少し、腸炎の悪化がみられた。存在するウイルスとの相関について解析中である。シーケンシング結果は細菌種の遺伝子と細菌分類についても解析を行い、ウイルス、細菌、臨床データ(活動性スコア、病型)、腸炎マウスモデルの表現型の面から多面的に解析を行っている。さらにVLP(virus-like particle)を便から獲得しDNA抽出を行う手法について実験を行っている。VLPの獲得を行うことができれば、粒子として排出されているactiveなウイルスの把握を行うことが可能である。細菌内のウイルスDNAと、粒子として排出されているactiveなウイルスDNAとの関連について解析を行うため手技手法について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常者と潰瘍性大腸炎患者、クローン病患者の便中ウイルス配列の比較を行うことができた。さらにマウスに便を移植したときの腸管の表現型も把握した。さらにVLPの抽出によるウイルスゲノムの獲得を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
健常者と潰瘍性大腸炎患者、クローン病患者の便中ウイルス配列の比較を行うことができた。さらにマウスに便を移植したときの腸管の表現型も把握した。さらにVLPの抽出によるウイルスゲノムの獲得を目指す。
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Causes of Carryover |
メタゲノム解析とマウスへの便移植実験に時間を費やしたため、さらに予定していたメタゲノム解析を次年度に行うこととし使用額を次年度にまわしたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額も加えて次世代シーケンサーによるシーケンシングを計画する。便中VLPのメタゲノム解析を予定する。
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