2015 Fiscal Year Research-status Report
スーパーハーモニック心エコーによる3次元血流ベクトルの推定
Project/Area Number |
15K15303
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 英之 富山大学, 理工学研究部, 教授 (00344698)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超音波ドプラ法 / スーパーハーモニック / 血流ベクトル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、基本波、2次高調波、3次高調波をカバーするようなスーパーハーモニックプローブにより、高感度の超音波送受信を行うハードウェアの開発を行うことを第一の目的とした。平成27年度は、中心周波数1.8 MHz、有効周波数帯域1.2~2.4 MHz、幅150ミクロンの振動子と中心周波数3.6 MHz、有効周波数帯域3.3~3.8 MHz、幅150ミクロンの振動子を交互に配列することで、1.2 MHzの基本波、2.4 MHzの2次高調波、3.6 MHzの3次高調波を送受信することが可能なプローブの設計を行った。また、すべての素子の送受信をプログラマブル超音波送受信システム(256チャンネル独立送受信、周波数帯域1~15 MHz、12ビット、パルス繰り返し周波数5 kHz)でコントロールすることで、プローブの両端からの送信にディレイをかけて、プローブの奥に仮想される点音源から拡散波が発信されるようなparallel beamformingを行うアルゴリズムを確立した。このbeamformingにより、同一プローブから2方向に超音波の送受信を行い血流を観測することで、2次元血流ベクトルを計測するアルゴリズムを開発した。ポリビニルアルコール製の血管ファントムに心拍動を模擬したポンプを用いて、血液とほぼ同等の粘性となるように調整したグリセリン水溶液を流し、血流評価用モデルを作製した。さらに、粒子追跡法による流れの可視化手法と解析することでアルゴリズムの妥当性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スーパーハーモニック用プローブの設計、血流計測アルゴリズムなど、ほぼ研究計画通りに進捗している。また、血流の評価方法としてPIV(Particle Imaging Velocimetry)法なども並行して進んでおり、平成28年度にシステムが完成した際に十分な評価が可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
スーパーハーモニックプローブに関しては、さらに周波数特性などを計測し、実測に用いる際の細かな条件設定を行う。Parallel beamformingに関しては、研究分担者と密に連絡を取り、よりよい信号プロセッシング手法を開発していく。
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Causes of Carryover |
学会発表について、研究がより完成に近づいてから行うことにしたため、発表時期を平成28年度に延期したために次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
すでに平成28年9月の学会発表に演題を提出しており、予定通りの支出を行うことが可能である。
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