2015 Fiscal Year Research-status Report
抑制性受容体アラジン-1のリガンドを用いた重症喘息の治療法の開発
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15K15319
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田原 聡子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20360589)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 喘息 / House Dust Mite |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、ヒト化抗IgE抗体(Omalizumab)が、高用量の吸入ステロイドと長時間作用性β2刺激薬などの併用薬でコントロール不良な重症喘息に対する選択薬として推奨されている。このことから重症喘息にはIgE抗体と高親和性IgE受容体(FcεRI)を介するシグナルが関わることが考えられる。申請者はFcεRIシグナルを抑制する受容体、Allergin-1を同定し、House Dust Mite (HDM)による喘息モデルにおいて、Allergin-1遺伝子欠損マウスでは肺胞浸潤好酸球数および血清IgE抗体価が亢進することを見出した。このことから、Allergin-1はHDMが関わる喘息において、治療標的分子となる可能性が期待された。さらに、申請者は、最近、Allergin-1リガンドを同定し、Allergin-1リガンドをIgE依存性アナフィラキシーモデルに投与することでアナフィラキシーの症状を緩和させる効果があることを見出した。 そこで、本申請課題では、Allergin-1リガンドをHDM喘息モデルに投与することで喘息治療効果を有するのか明らかにするため、平成27年度では、HDMによる喘息モデルのHDM投与条件の検討およびAllergin-1リガンドの調製法の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題では、野生型マウスにAllergin-1リガンドを投与して症状の緩和を検討することから、HDM投与量と投与回数を検討して、野生型マウスで肺胞浸潤好酸球数と血清IgE抗体の解析を行った。その結果、HDM投与量100μGを週1回計4回経鼻投与する条件を確立した。 また、Allergin-1リガンドの調整を行った。Allergin-1リガンドは脂質の一種であることから、フォスファチジルコリン(PC)と混合比を検討してリポソーム化し、Allergin-1Fc融合タンパクとの結合を指標に条件検討した。その結果、PCとAllergin-1リガンドを8:2の比で混合して内径100μmでリポソーム化することで、Allergin-1との結合が最大になることを明らかにした。これらの結果から、概ね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度では、HDM喘息モデルにリポソームを投与して喘息発症の予防効果および治療効果を検討する。具体的には、リポソームの投与経路(経鼻投与、静脈投与)、投与量、投与スケジュールを検討する。治療効果の評価は肺胞浸潤好酸球数、血清IgE抗体価、メサコリン誘導性気道抵抗値の測定で行う。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Apoptotic epithelial cells control the abundance of Treg cells at barrier surfaces2016
Author(s)
Nakahashi-Oda C, Udayanga KGS, Nakamura Y, Nakazawa Y, Miki H, Iino S, Tahara-Hanaoka S, Shibuya K, Shibuya A.
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Journal Title
Nature Immunol, 17(4):441-453, 2016
Volume: 17
Pages: 441-453
DOI
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