2015 Fiscal Year Annual Research Report
RNA凝集を抑制する人工RNAシャペロン、ペプチドの探索
Project/Area Number |
15K15334
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石黒 太郎 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20748587)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | SCA31 / RNA foci / RNAシャペロン / TDP-43 / RNAミスフォールディング / マイクロサテライトリピート病 / ショウジョウバエ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではマイクロサテライトリピート病の一つである脊髄小脳失調症31型(SCA31)について病因遺伝子由来のリピートRNAの異常凝集から生じる細胞障害をターゲットとしてショウジョウバエモデルを利用して治療法開発を推進することを目的とした。本研究による成果を以下にまとめる。 (1)シャペロン機能の必須領域の同定:SCA31の異常(UGGAA)nリピートに結合するタンパク質として同定したTDP-43は(UGGAA)n リピート由来RNA fociの蓄積を減少させRNA毒性を緩和する。しかしTDP-43の発現量は厳密に調節されており、過剰になれば細胞毒性をもち、治療安全性に影響を与える可能性がある。本研究ではTDP-43のシャペロン機能の最小機能領域の同定のためTDP-43の欠損変異体群を作成し、解析したところRNA recognition motif (RRM)が必須であることが明らにした。 (2)TDP-43の毒性を緩和した治療応用可能な最適化新規RNAシャペロンデザイン:TDP-43のC末側のプリオン様ドメインは凝集性が高く、その過剰発現は細胞毒性を有するためこの領域を一部欠損させ、さらにRRMの一部配列も改変し改変型RNAシャペロンを作成した。 (3)新規RNAシャペロンの同定:(UGGAA)nに結合しTDP-43と機能的及び構造的に類似したRNA結合タンパク質に着目し、解析を行った。その結果、FUS及びhnRNPA2B1も(UGGAA)n RNAに対してRNAミスフォールディングを抑制するシャペロン効果を有し、病態を抑制することが判明した。 以上SCA31病態においてRNAシャペロンによるRNAミスフォールディングの制御という治療法の可能性を見出した。またこの方法は異常RNA凝集が関連するその他のマイクロサテライトリピート病への病態解明、治療応用への可能性を示唆する。
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