2015 Fiscal Year Research-status Report
グリア特異的コネキシンコンディショナルノックアウトによる巨大同心円状脱髄巣の誘導
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15K15341
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉良 潤一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40183305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 浩雄 九州大学, 大学病院, 講師 (00701830)
渡邉 充 九州大学, 大学病院, その他 (30748009)
真崎 勝久 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90612903)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 多発性硬化症 / 視神経脊髄炎 / コネキシン |
Outline of Annual Research Achievements |
コネキシン(Cx)43脱落と脱髄の関連をin vivoで評価するため、Tamoxifen によりinducibleなアストロサイト特異的Cx43 conditional knockout(cKO)マウスを作製した。MOG誘導性EAEモデルでは、Cx43 inducible cKOマウスでは急性期から慢性期にかけて症状が軽減することを発見した。その意義を明らかにするため、アストロサイトに発現するCx43および白血球中に発現するCx43を病理学的、免疫学的手法により解析をすすめている。また、Cx30KOマウスではEAE急性期では野生型と変わりないが慢性期に軽症化することも見出した。Cx30が欠失するとミクログリアが活性化することも確認されており、神経保護的となっている可能性を推定し実験をすすめている。さらに、脱髄病巣におけるCx43脱落機序を解明するために、マウス大脳由来初代培養アストロサイトを用いてCx43発現を変化しうる因子を検討した。その結果、T細胞サブセットの中でもTh1細胞由来の液性因子がCx43発現を低下させることを見出した。サイトカインの中では、IFNγが最もCx43発現低下に影響しており、ミクログリアを介した経路が重要であることも発見して検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
inducible Cx43 conditional KO miceは順調に作製することができ、実際にtamoxifenによる遺伝子改変により、Cx43の発現が大きく低下することも確認している。中枢神経組織や白血球におけるCx43の解析も進めている。並行してすすめているCx30KOマウスの解析もおおむね順調に進行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記Cx43 inducible KOマウスを用いて、Cx43を中枢神経で急激に発現低下させた場合に、巨大な脱髄病巣が形成されうるかを評価する。また、Cx43の脱落が脱髄形成にどのように関与しているか詳細に検討をすすめていく。Cx30についても引き続き並行して実験解析をすすめていく。
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Causes of Carryover |
殆どの予算は当初の計画通りに使用したが、消耗品や抗体購入額から14491円が残額として発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額14491円については、次年度の消耗品購入に使用予定とした。
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Research Products
(18 results)