2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K15342
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
貫名 信行 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (10134595)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 無髄線維 / Nav2.1 / 有髄線維 |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経系における無髄神経の存在部位の確認に関しては、現在のところ既報のようにNav1.2が瀰漫性に軸索上に存在することが無髄神経のマーカーとなることに基づき、中枢神経系の無髄神経を網羅的に同定している。線条体投射線維、小脳平行線維、海馬苔状線維、等の既知の線維に加え、蝸牛神経核、脳梁に陽性の無髄線維と思われる、線維を同定した。現在免疫電顕による確認を行っているところである。 線条体中型有棘細胞から取り出した特異的遺伝子について無髄繊維との関連を検討している。無髄線維であるにもかかわらず、ミエリン塩基性タンパク質の遺伝子発現が認められたことが意外であったが、これはミエリン塩基性タンパク質の上流にあるGolliの発現によるためであろうと考えられ、その意義を検討中である。 なお線条体投射線維が無髄線維であることを認識するきっかけとなった、Sodium channel beta4 subunitについては結晶を作製し、その構造解析を行った。結晶はbeta 4 subunitのantiparallelな並び方を示し、マルチマーを形成することが示唆された。結合部位に相当するところに、クロスリンクを行い、分子間相互作用点を決定した。この結果beta4はtranshomophilic interactionを形成することが示唆された。またbeta4とともにbeta subunitの一つであるbeta1に関して、そのてんかんと関連する変位部位がこの分子間相互作用部位に関連することを示した。このようなbeta subunitの分子間相互作用が無髄線維の軸索表面で軸索間の相互作用に係わっている可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展し、中枢における無髄神経の同定には成功しているが、投稿するレベルには至っていない。とりわけ脳梁における無髄線維は大脳皮質のどの層由来のものであるかも明らかにする必要があり、詳細な検討が必要となってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
1)脳梁に存在する無髄繊維が由来する大脳皮質の細胞を同定するため、皮質細胞に層ごとにGFPを発現し、GFP発現線維とNav1.2の共局在を検討する。 2)無髄線維に関してその構成タンパク質を質量分析によって同定する。
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Causes of Carryover |
2015年4月に順天堂大学から同志社大学への移動が決まり、実験室のセットアップなどで3ヶ月程度の遅れが生じた。この実質的に実験ができなかった時期があるため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に持ち越した実験(大脳皮質神経細胞における無髄神経の同定、Nav1.2結合タンパク質の同定)に使用し、実験に関係する消耗品に使用する。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Splicing misregulation of SCN5A contributes to cardiac-conduction delay and heart arrhythmia in myotonic dystrophy.2016
Author(s)
Freyermuth F, Rau F, Kokunai Y, Linke T, Sellier C, Nakamori M, Kino Y, Arandel L, Jollet A, Thibault C, Philipps M, Vicaire S, Jost B, Udd B, Day JW, Duboc D, Wahbi K, Matsumura T, Fujimura H, Mochizuki H, Deryckere F, Kimura T, Nukina N, --- Charlet-Berguerand N.
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Journal Title
Nat Commun.
Volume: 7
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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