2015 Fiscal Year Research-status Report
グルカゴンC末抗体を用いた新規血糖調節因子の同定と生理機能の解明
Project/Area Number |
15K15345
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
北村 忠弘 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (20447262)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | グルカゴン / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来のグルカゴンC末抗体を用いた測定法は特異性が低いことが知られている。我々はグルカゴンのC末抗体とN末抗体の両方を用いたグルカゴンサンドイッチELISA法を開発し、逆相液体クロマトグラフィーを用いた解析で、サンドイッチELISAはグルカゴンのみを検出するが、従来法はグルカゴン以外の複数のペプチドと交叉反応していることを明らかとなった。糖負荷後の血中グルカゴン変動を調べると、両者の測定系で異なるパターンが認められた。従って、グルカゴンC末抗体で認識されるグルカゴン以外のペプチドが存在し、そのペプチドが糖代謝調節に関わっている可能性が示唆されたため、このペプチドの同定を試みた。まず、マウスの血漿サンプルからC末抗体を用いたアフィニティーカラム精製と逆相液体クロマトグラフィー、並びに質量分析法を行ったが、サンプル量の不足から有意なシグナルを得ることができなかった。 そこで、まず、目的のペプチドを多く含む組織を明らかにする目的で、マウスの膵臓と消化管を煮沸処理して、内因性のぺプチダーゼを失活させた後に組織の可溶化を行い、SepPakカラムによる脱塩、ペプチドの回収を行って、各組織より得たペプチドについて、従来測定法と新規サンドイッチELISAによる測定比較を行い、新規ペプチド含有量が多いと考えられる組織を明らかにしようと検討中である。現在、グルカゴンC末抗体の安定的供給に問題が生じており、新規ペプチドの同定に時間がかかっているが、同定できれば、野生型マウスや糖尿病などの代謝疾患モデルマウスに投与することで、生理作用を検討することが可能であり、さらに、新規ペプチドを特異的に測定できるアッセイ系をサンドイッチELISA法で構築し、糖負荷後の血液サンプルや糖尿病等の代謝疾患モデル動物における血中濃度を解析する予定にしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アフィニティ精製に用いるグルカゴンC末抗体の供給が不安定であることと、同定しようと試みるペプチドを多く含む臓器の決定に時間がかかっているため
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Strategy for Future Research Activity |
今後、新規ペプチド含有量が多いと考えられる組織を明らかになれば、それを元に新規ペプチドを同定し、野生型マウスや糖尿病などの代謝疾患モデルマウスに投与することで、生理作用を検討する予定であり、さらに、新規ペプチドを特異的に測定できるアッセイ系をサンドイッチELISA法で構築し、糖負荷後の血液サンプルや糖尿病等の代謝疾患モデル動物における血中濃度を解析する予定にしている。
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