2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of interaction between regulation of food intake and brain reward system to understand over-eating
Project/Area Number |
15K15347
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
細田 公則 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (40271598)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 報酬系 / レプチン / 摂食 / 嗜好性 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
レプチンの脳内報酬系での摂食調節に関する作用は未解明である。本研究では、条件付け場所嗜好性試験(Conditioned Place Preference test: CPP test)でレプチン欠損ob/ob肥満マウスの60%高脂肪食(High Fat Diet: HFD)に対する嗜好性およびレプチン投与の効果を検討した。 8週齢ob/obマウスおよび野生型(Wild Type: WT)マウスを用いて、HFDに対するCPPを行った。ob/obマウスはWTマウスと比較し、HFD嗜好性が有意に高かった。ob/obマウスではHFD嗜好性が亢進していると考えられた。ob/obマウスのHFD嗜好性に対するレプチン投与の効果を検討するために、ob/obマウスおよびWTマウスに対し、浸透圧ポンプを用いてレプチンを4.8μg/日で持続皮下投与を行った。4週間レプチン補充投与によりob/obマウスの肥満は改善し、WTマウスとほぼ同程度の体重になり、ob/obマウスではレプチン補充投与によってHFD嗜好性がWTマウスと同程度にまで低下した。WTマウスではレプチン投与によるHFD嗜好性への効果は見られなかった。 さらに、レプチン補充投与によるob/obマウスのHFD嗜好性の正常化が、レプチンの作用によるものか、肥満改善の結果であるのかを検討した。1週間のレプチン持続皮下投与を行い、ob/obマウスの肥満が残る時点でHFDに対するCPPを行った結果、ob/obマウスではHFD嗜好性がWTマウスと同程度にまで低下した。このことから、ob/obマウスにおけるHFD嗜好性の正常化は肥満改善の結果ではなく、レプチンの作用によるものであると考えられた。 以上より、ob/obマウスでレプチンは脳内報酬系における摂食調節経路を制御することでHFD嗜好性を低下させることが示唆された。
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