2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of techniques for analyzing somatic mutations in single neurons of psychiatric disorders
Project/Area Number |
15K15424
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岩本 和也 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (40342753)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 体細胞変異 / 全ゲノム増幅 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度までに確立したヒト死後脳前頭葉試料からの単一細胞核の単離と全ゲノム増幅の条件をもとに、健常者前頭葉試料を用いた全ゲノム増幅と品質確認、および実際に増幅DNAを用いた全ゲノム解析データの取得を行った。 高齢健常者由来凍結前頭葉試料から、NeuN陽性核ソーティングにより、陽性を示す単一神経細胞核を取得、フリューダイム社のC1装置を用い、単一細胞全ゲノム増幅反応を行った。その後、フリューダイム社のSNP評価システムを用い増幅産物のquality controlを行い、ヘテロSNPコールの保存状態を指標として、良好な増幅が認められた8サンプルについて全ゲノム解析を行った。また、同時に同じ検体の核ソーティングを行っていない凍結脳試料から抽出したゲノムDNA(バルクDNA)の全ゲノム解析を行った。 全ての単一神経細胞サンプルおよびバルクDNAから良好なシークエンスリードが得られた。また、単一神経細胞のシークエンスデータに顕著な品質の差異は認められなかった。通常法に従いバルクDNAでのSNPコールを行いリスト化した後、単一神経細胞のサンプルごとに変異コールを行い、パターンをバルクDNAと比較したところ、それぞれのサンプルにのみ見られる変異や細胞間で共通しているがバルクDNAでは認められない変異を検出した。 最終的なデータに関しては、体細胞変異候補から偽陽性を除くフィルタリングの精度を上げる必要があるが、一連の研究を通して、試料の前処理、単一神経細胞核の取得、全ゲノム増幅、データ解析に至る一連の解析パイプラインの確立に成功した。
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Research Products
(2 results)