2015 Fiscal Year Research-status Report
精子エピジェネティックマークを介した子孫への行動異常の伝承
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15K15425
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
松崎 秀夫 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (00334970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 圭子 福井大学, 学内共同利用施設等, その他 (30415088)
小西 慶幸 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00382838)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 母体ストレス / マウス / 行動異常 / 遺伝子発現 / エピジェネティックマーク |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究から、母体ストレスが発達障害発症のリスクファクターであることが示唆されており、さらに近年、孫の世代にまでその負の影響が受け継がれる事象が報告されている。しかしそのメカニズムは不明である。そこで我々は、マウスを用い、母体ストレスが仔および孫に与える影響の解明を試みている。現在、母体ストレスによる仔の行動異常がオスを介してのみ孫に受け継がれるという非常に興味深い結果を得ている。本研究では、行動異常を脳の遺伝子発現の変化から理解し、さらに精子のエピジェネティクス変化(エピジェネティックマーク)を介して孫に異常が受け継がれる可能性を検証し、精子エピジェネティックマークと行動異常という表現型の関連を明らかにすることを目的とする。 本年度はまずより詳細な行動学的解析を行った。その結果、仔マウスおよび孫マウスにおける行動異常を確認した。さらに、これら行動異常に関わる各因子の発現を、定量的リアルタイムPCR法にて測定・解析した。その結果数種類の因子の発現が変化していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね実験計画通りに進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
上記発現変化が認められた遺伝子のDNAメチル化を仔の精子を用いて解析し、精子を介し行動異常を伝承する原因となるエピジェネティックマークを同定し、表現型(行動異常)へのメカニズムを明らかにする。
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Causes of Carryover |
精子DNAメチル化解析の費用のために翌年に繰り越した
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
精子DNAメチル化解析
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