2015 Fiscal Year Research-status Report
精神科臨床現場での肺塞栓症メカニズムの解明:人工静脈モデルの実測、画像・数理解析
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15K15429
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉田 尚子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20750532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 薫 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10267164)
平方 秀男 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (70271509)
巽 和也 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90372854)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 深部静脈血栓 / マイクロ流路 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の目標は、人工流路デバイス(人工静脈)作ることで、①実際のヒトの静脈で血管径や血流速度を測定、②基本的な人工流路デバイスの作成、さらにそれを用いて③血栓塞栓のリスクとされている状況をin vitroに再現することであった。 ①に関しては血管エコーの機械が高額であるため購入を断念し、既報のデータを収集し、深部静脈血栓の好発部位とされるヒラメ静脈等のヒト下肢静脈径と血流から、ずり応力とずり速度を計算した。 ②に関しては、シリコン樹脂の一種であるPDMSを用いて顕微鏡下で内部を観察できるマイクロスケールの流路を開発した。①で求めたずり応力・ずり速度を元に、人工流路内で静脈と同じずり速度が再現できるような流量や圧を求めた。 ③に関しては、温度、内圧、流速、特定の成分の含有量などを変えて観察・記録を行った。 高速度カメラにて記録したものを解析・定量化し、静脈血栓の特徴と思われるいくつかの知見を得た。この結果は、平成28年5月の国際血栓止血学会SSC(フランス)で発表予定であるとともに、平成28年度前半に論文投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概ね予定通りの進行ではあり、解析技術の開発は順調で、より精度の高い解析が可能となりつつある。 しかし、研究代表者が平成27年4月に臨床業務で多忙なポストに就いたこと、および同年5月に一時的な健康面の問題が生じたことにより、実験参加回数を減らさざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験・解析の手法はおおむね確立したとともに、研究代表者の健康状態は回復して臨床および研究業務に完全に復帰して、部内での臨床業務の分担も調整された。これまで以上に研究を推進できることが期待できる。 今年度は既に得られた知見をもとに、より実際の臨床場面に即したデータを集めて解析を行う。
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Causes of Carryover |
研究計画に少し遅れが生じており、予定していた試薬の購入を先送りにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究代表者の健康状態が回復し、計画遂行の見通しが立ったため、予定通りに試薬などを購入してデータ収集と解析を行う予定である。
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Research Products
(3 results)