2017 Fiscal Year Annual Research Report
Clarify the Mechanism of Thromboembolism in clinical practice of psychiatry: Measurement, Imaging and Quantitative Analysis of Thrombus Formation in Artificial Vessels
Project/Area Number |
15K15429
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉田 尚子 京都大学, 医学研究科, 助教 (20750532)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 薫 京都大学, 医学研究科, 教授 (10267164)
平方 秀男 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (70271509)
巽 和也 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90372854)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 深部静脈血栓 / 肺塞栓 / 身体合併症 / 予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺塞栓症は下肢の静脈などにできた血栓が血流中を移動して肺動脈を閉塞させて生じる。国内外の大規模な法医学研究で、剖検で見つかった肺塞栓死の3分の1が精神科患者で、診療科で最多であったと報告されている。非定型抗精神病薬など血栓塞栓を促進する精神科固有のリスクのいくつかは疫学的に検証されているが,各因子がなぜ血栓塞栓を生じやすくするかという基礎的なメカニズムを解明した先行研究はない。 肺塞栓症は予測困難な上に致死率が高く、突然死の代表的な原因である。予防ガイドラインが作られ10年以上も全国で対策が続けられてきたが、発症数は減らない。これは、血栓塞栓生成の基礎的なメカニズムがあまり解明されておらず、初期診断が難しいためである。本研究では、1)人工静脈により可視化、2)画像解析により定量化、3)臨床にフィードバックすることで、精神科領域で血栓塞栓が生じる基礎的なメカニズムを科学的に理解することを目的とした。そのために、①ヒト静脈を模した人工流路デバイスを開発し、②健常者血を用い、血栓塞栓のリスクとして知られている状況下での血栓生成過程をin vitroに可視化した。 PDMS(polydimethylsiloxane)で透明なマイクロスケールの流路デバイスを作った。そこに、静脈のずり速度に合わせて内圧を調整できるように設計した自作のポンプにより、血液が流れる様子を顕微鏡と高速度カメラで撮像できるようにした。更に、蛍光標識によりフィブリン網の生成の経時変化をリアルタイムで記録する技術を確立した。 通常の下肢静脈のような血流状態と身体拘束時のような血流うっ滞(身体拘束時や昏迷時)で生成する初期のフィブリン網の比較である。繊維の太さや配向性の違いを撮像し、画像解析や流量記録により定量化し、医学系および工学系の国際学会で報告したとともに現在論文執筆中である。
|
Research Products
(1 results)