2016 Fiscal Year Annual Research Report
Application of exosomal molecules as exposure dose assessment markers
Project/Area Number |
15K15443
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
柏倉 幾郎 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (00177370)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 富智 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (20261456)
千葉 満 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (20583735)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 被ばく医療 / マイクロRNA / 染色体異常解析 / 被ばくマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線曝露個体の線量評価は「染色体異常解析」が最も信頼性の高い方法として利用されているが、解析には高い専門性と数日の時間を要する為「迅速性」には難がある。またこれまで「被ばく線量評価マーカー」へのエキソソームの活用に関する報告もない。本研究は、エキソソームが有する多様な内在分子情報に着目し、放射線曝露個体由来の「エキソソーム解析」と「染色体異常解析」を同時に行い、エキソソームの新たな線量評価マーカーへの応用の可能性検討を目的とした。 その結果、マウスへの0.5~5 GyのX線照射後直後及び24時間後の心採血で得られた血清からRNAを抽出しマイクロアレイ解析を行った処、線量依存的に増加と減少を示すmiRNAが幾つか認められた。さらに増減したmiRNAの発現を総当たりで相互の比を求めた処、高い直線性を示す組み合わせを幾つか見出した。然しながら、再現性に問題が認められた為、学内の遺伝子解析を専門とする研究者の協力を得て、個体毎に採血した少量の血液からのアレイ解析を試みた処、照射によって遺伝子発現プロファイルが異なることが見出され、現在さらなる解析を進めている。この方法により線量評価と共に個体差診断にも繋がることが期待される為、研究期間終了後もさらなる検討及び解析を進める予定である。特に、低線量域での応答が重要である事から、この点についても検証を進めたい。一方miRNA解析と同時に行った染色体異常解析は、サンプル調製のもととなるリンパ球や白血球が検討した照射線量では急激に減少することで評価解析に相応しいサンプルが得られず、miRNAとの相互関係の解析には至らなかった。 最終年度末にインドネシア原子力庁を訪問し、平成29年度から同国スラウェシ島のマムジュ地区の高自然放射線地帯に住む住民の影響調査に関する共同研究を開始する予定であり、本研究成果はこれら共同研究への応用が期待される。
|
Research Products
(7 results)