2016 Fiscal Year Research-status Report
特徴対応異種画像統合法を用いた個人特定法医画像診断法の開発
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15K15457
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
西井 龍一 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 分子イメージング診断治療研究部, 主任研究員(定常) (60463212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新川 慶明 宮崎大学, 医学部, 助教 (40625836)
ThiThi Zin 宮崎大学, 工学部, 教授 (30536959)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 個人特定 / 胸部X線写真 / 死後CT診断 / 骨陰影 / 画像ワークステーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、災害や事件・事故における損傷の激しい遺体の身元確認において、迅速かつ高精度で個人を特定し得る「法医放射線画像コンピューター支援システム」の構築・整備を最終目標とするものである。骨の描出に優れた「X線画像診断」と「死後画像診断(Ai)」の連携に着眼し、身元確認困難な遺体の個人特定を検討した。死後胸部CTと生前胸部X線の画像fusionによる個人特定能を検討した。成人15人の死後CT及び死亡1年以上前の胸部X線を用いた。VINCENTの2D-fusion機能を用いて気管分岐部、両側肺尖部、気管分岐部レベルでの両側胸郭内側縁を基準点とし、死後CT胸部冠状断縦隔条件と生前胸部X線を融合した。死後CTと生前X線の組み合わせ225通り、基準点が前3者の場合(3点法)と全5点の場合(5点法)の計450通りの融合像を作成し、平均誤差距離(mm)を求め評価した。その結果、5点法fusion法は、死後胸部CTと生前胸部X線による個人特定に期待ができる。しかし胸部X線は透視投影であり、CTは平行投影である。この投影方法の違いによる個人特定能への影響を検討する必要があるため検証を行った。その結果、背側部肋骨の拡大率は、平行投影<前後方向透視投影<後前方向透視投影の関係にあった。CTを後前方向透視投影(通常の胸部X線)により近い前後方向透視投影に処理して個人特定能を検討したが、明らかな向上は見られなかったが、CTを後前方向透視投影にした場合に、個人特定能が向上する可能性は見出された。本法による個人特定は、我が国が直面する大震災や津波災害・山火事・噴火災害や重大事件・事故時において遺族の精神的負担軽減や財政的課題にも大いに寄与すると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
画像ワークステーションを用いた死後CT画像と胸部X線写真の比較検討は順調に実施できた。胸部の骨陰影が重要であるとともに、肋骨の位置、肋骨間、胸郭の形が重要であることがわかった。その成果は国際英文雑誌に発表することができた。 研究代表者が異動のため研究実施再開に時間を要したが、論文発表もでき、所期の研究が継続できつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
画像ワークステーションを用いた死後CT画像と胸部X線写真の比較検討から、骨陰性に着目した個人特定法確立という目標ができた。今後は画像ワークステーションを駆使し、画像の保存→画像ワークステーションへのデータ転送→画像マーカーのコンピューター処理→特徴的画像マーカーの抽出までを迅速かつ簡便に遂行できる方法を探る。そして画像コンテンツベース類似画像検索とランキング手法による特徴対応異種画像統合法を応用する。さらにその手法を用い、遺体の過去の胸部単純X線写真が得られたものに関して、その画像情報と遺体CT画像診断情報との一致率を後顧的に検討し検証していく。
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Causes of Carryover |
研究代表者が異動のため研究実施再開に時間を要した。そのため、画像コンテンツベース類似画像検索とランキング手法による特徴対応異種画像統合法の応用検討に着手できなかった。その物品費や成果発表費用を次年度に繰越して執行することにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
画像ワークステーションを駆使し、画像の保存→画像ワークステーションへのデータ転送→画像マーカーのコンピューター処理→特徴的画像マーカーの抽出までを迅速かつ簡便に遂行できる方法を探る。そして画像コンテンツベース類似画像検索とランキング手法による特徴対応異種画像統合法を応用する。さらにその手法を用い、遺体の過去の胸部単純X線写真が得られたものに関して、その画像情報と遺体CT画像診断情報との一致率を後顧的に検討し検証していく。 そのための物品費と成果報告費用に充てる。
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Research Products
(1 results)