2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of transcutaneous energy transfer system using soft-coil and resonant inductive coupling
Project/Area Number |
15K15504
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 逸郎 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 客員研究員 (80334225)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | TETS / 人工心臓 / 電力伝送 / コイル / 経皮的エネルギー伝送 / 非接触電力伝送 / 共鳴共振 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではフレキシブル基板を用いることで経皮エネルギー伝送(TETS)用コイルを薄く湾曲可能なコイルにし、固定しやすく埋め込み可能箇所が多いモデルとすることで位置ずれによる効率低下の問題の解決を目指した。 コイルとしては、フレキシブル基板を用いて直径100mm程度のソフトコイルを複数パターン作製することでコイル形状を検討した。初期のテストモデルでは従来コイルの直径とインダクタンスと同等となるように設計したところ直列等価抵抗(ESR)が従来コイルの10倍以上の11.3 Ωとなった。これの問題に対して、フレキシブル基板の両面基板化、インダクタンスを従来コイルと同等にしたソフトコイルを並列化およびインダクタンス・ESRともに小さいコイルの直列化を組み合わせることで、最終的にはESRを0.847Ωに低減でき、in vitro試験において27.8 Wの伝送に成功した。 完成したコイルを用いて動物実験による検証を行い、ソフトコイルを用いたTETSで人工心臓駆動に必要な電力量6W以上を生体への影響なく出力することを目標とし、達成した。成ヤギを用いて28日間の連続伝送実験をin vivoで行い、最大伝送電力は17.8 W、最大効率は0.88となり、最も効率良く伝送できた24日目では平均伝送電力10.2 W、平均効率0.72の伝送が行えた。ソフトコイルを用いたTETSでは、フレキシブル基板によるコイルの銅箔厚が薄いために抵抗成分が高くなりやすく伝送量が低くなりやすいという課題があったが、本実験により、必要電力の伝送が可能であることが示された。また、周辺組織を目視およびHE染色によって観察したところ、想定使用範囲内においては炎症等は見られず、生体適合面でも優れていることが示された。
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Research Products
(6 results)