2015 Fiscal Year Research-status Report
血管新生因子アンチセンスホモロジーボックス由来ペプチドによる脳梗塞の血管新生療法
Project/Area Number |
15K15523
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高野 晋吾 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (50292553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上羽 哲也 高知大学, 医歯学系, 教授 (00314203)
伊藤 嘉朗 筑波大学, 医学医療系, 講師 (90733014)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | FGF2 / アンチセンスペプチド / 血管新生 / 血管内皮細胞 / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.Biacore technologyによるペプチドと受容体の相互間解析:ペプチドと内皮細胞膜上FGFRとの相互解析を行うのに、ペプチドのような低分子を高感度で測定できるのが特徴のBiacore T200(GEヘルスケア;学内、永田研)を用いた。専用のセンサーチップ上に血管内皮細胞を固定し、ペプチドを各種濃度で流すことにより、最も結合の効き目が早く、持続するペプチドを探索したが、今回のアッセイではこれまでの研究で、最も内皮細胞の増殖作用が強かったペプチド#4と内皮細胞との生理学的な結合は示すことができなかった。 2.ペプチドによる内皮細胞FGFシグナル伝達の解析:ペプチドの効果は内皮細胞特異的であるが、その細胞内でのシグナル伝達は明らかではない。内皮細胞をペプチド存在下に培養し、細胞分画を抽出し、FGFRのシグナル経路をリン酸化の状態も含めて(MAPK、リン酸化MAPK、AKT, リン酸化AKT、PKC、リン酸化PKC)ウェスタン解析で評価した。MAPKおよびAKTおよびPKCシグナルともペプチド#4の投与により、リン酸化蛋白の発現増加を認めた。従って、ペプチド#4には内皮細胞に結合し、内皮細胞内でFGF2シグナルが動いたことが明らかにされた。 3.変換ペプチドによる内皮細胞増殖抑制効果:ペプチド#4には強力な内皮細胞増殖効果がみられた。このペプチドのうち3個のアミノ酸をランダムに変換した変換ペプチドを2種類作成した。いずれの変換ペプチドにも内皮細胞増殖効果がないことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作成したペプチドが血管内皮細胞に結合し、FGF2シグナルが細胞内で働いていることを明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
このペプチドを用いた、in vivoでの血管新生促進効果を次年度以降検討していく。 まず、FGF2を含有したDirected In Vivo Angiogenesis Assay (DIVAA)キットのリアクターを用いて、FGF2誘発のマウス皮下での血管新生促進効果を評価する。 次に、マウス脳梗塞モデルでのペプチドの効果を評価する。
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Causes of Carryover |
本年度はこれからのvivo実験に備えて、対象としているアンチセンスホモロジーボックスに対するペプチドが内皮細胞に作用しているのかどうかを、in viroの様々な角度からの実験のみを行うにとどまったからである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度で確証が得られたペプチドを用いた、in vivoでの血管新生促進効果を次年度以降検討していく。まず、FGF2を含有したDirected In Vivo Angiogenesis Assay (DIVAA)キットのリアクターを用いて、FGF2誘発のマウス皮下での血管新生促進効果を評価する。次に、マウス脳梗塞モデルでのペプチドの効果を評価する。
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Research Products
(1 results)