2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K15524
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小泉 修一 山梨大学, 総合研究部, 教授 (10280752)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アストロサイト / 虚血耐性 / グリア細胞 / 脳卒中 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、虚血耐性現象がグリア細胞に依存して誘導される、という「グリア性虚血耐性」現象を見出した。本研究は、グリア性虚血耐性の分子メカニズムの解明を目指すものである。 これまでに、非侵襲的虚血(PC)によりアストロサイトの活性化が起こること、このアストロサイトの活性化を抑制すると虚血耐性が誘導されないこと、を見出した。つまり、アストロサイトが活性化し反応性に変化することにより、その性質が「虚血耐性誘導型」フェノタイプに変化する可能性が示唆された。そこで、分子メカニズムの解明を行い以下を明らかとした。 1.PCによりアストロサイトで発現誘導されるP2X7受容体がグリア性虚血耐性の責任分子であった。2.PCにより酸素恒常性維持のマスター分子である、hypoxia inducible factor α(HIF1α)がアストロサイトで誘導された。3.PCによるアストロサイトHIF1α誘導は、虚血耐性誘導の必要条件であった。4.酸素不足時に神経細胞でHIF1αが上昇することは良く知られており、これは完全に酸素依存的な応答である。しかし、アストロサイトのHIF1α発現は、酸素に依存せず、完全にP2X7受容体に依存していた。 以上、グリア性虚血耐性の分子メカニズムとして、P2X7受容体及びその下流シグナルのHIF1α分子を見出した。また、本分子の発現メカニズムも、他細胞で認められる既存のメカニズムとは異なる、アストロサイトに特徴的なものであることが明らかとなった。グリア細胞は、この様な特徴的な分子、メカニズムにより、虚血耐性を誘導している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
グリア性虚血耐性の責任分子として、P2X7受容体及びその下流のHIF1aを既に同定できたこと。
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Strategy for Future Research Activity |
グリア性虚血耐性の責任分子として、P2X7受容体及びHIF1αを見出したが、1.PCにより何故P2X7受容体がアストロサイト特異的に発現亢進するのか?、2.HIF1αにより転写が促進される分子で、虚血耐性の実行因子は何か?、3.P2X7受容体のリガンドATPの放出動態と虚血耐性の関連性はどうなっているのか?、に関してはほぼ不明のままである。 上記1-3を明らかとするための、スクリーニング系、分子生物学的プローブ、さらに遺伝子改変動物の準備がほぼ終わりつつある。これらを駆使して、上記1-3を中心に、グリア性虚血耐性の全容解明を目指す。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Astrocyte-Mediated Ischemic Tolerance2015
Author(s)
Hirayama, Y., Ikeda-Matsuo, Y., Notomi, S., Enaida, H., Kinouchi, H., Koizumi, S.
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Journal Title
Journal of Neuroscience
Volume: 35(9)
Pages: 3794-3805
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Phagocytes astrocytes after brain ischemia.2015
Author(s)
Morizawa, Y., Hirayama, Y., Shibata, S., Koizumi, S.
Organizer
European Meeting on Glial Cells in Health and Disease
Place of Presentation
Euskalduna Conference Centre(Bilbao, Spain)
Year and Date
2015-07-15 – 2015-07-18
Int'l Joint Research
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