2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K15525
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
山本 清二 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 理事 (60144094)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脳血流 / 脳機能 / 赤外光 / 電磁波 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳の神経活動を可視化する方法で、装置が比較的小さく移動もできるという点で優れていてwearableな方法に発展させることができる装置としては、NIRS、EEGが挙げられる。しかし、これらは脳深部の機能評価ができないことが最大の問題である。我々は、新たな脳血流イメージングにより神経活動を評価する方法として、長波長光(電磁波)を用いた新たな方法の原理検証を行うため、平成27年度は、適切な波長の検討を行うことを主目的に実験を行った。 フーリエ変換赤外分光光度計を用い、ラット脳組織・ラット培養グリア細胞において赤外光の吸収と波長の関係を探索した。その結果、6μm、9μmの波長で吸収のピークが見られた。これらの結果に基づき、ペルチェ冷却型量子カスケードレーザー(波長6.1 μm、7.8 μm)の2種類を準備し、全身麻酔下にラットを定位脳手術装置に固定し、MCT光導電素子(赤外線入射により抵抗値が減少する素子)により赤外線を計測するシステムを構築した。 ペルチェ冷却型量子カスケードレーザー(浜松ホトニクス)の準備とシステムの構築に時間を要したために、平成27年度内に計測実験によるデータの収集を終えることができなかった。その中で、明確なピークを検出しにくいこと、透過光で何らかのピークが検出できても光路長が実際の長さの2~3倍以上であり透過・吸収の評価がしにくいなどの問題が認識された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ペルチェ冷却型量子カスケードレーザーにより、ラット脳(個体レベル)での赤外光の透過・吸収を計測するシステムを構築しているが、量子カスケードレーザーの準備(特定の波長に対する特注品であり、試作後のチューニングに時間を要する)とシステムの構築に時間を要したために、計測システムの構築をほぼ終えるにとどまり、平成27年度内に計測実験によるデータの収集を終えることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の実験の中で、ラット個体レベルで頭部に赤外光を入射し透過光を検出しようとしても、生体内での散乱により:1)明確なピークを検出しにくいこと;2)透過光で何らかのピークが検出できても光路長が実際の長さの2~3倍以上であり透過・吸収の評価がしにくいことが問題として認識された。平成28年度は、赤外光だけでなく超音波との相互連関(光・音響連関)による特定の場所からの赤外光吸収の変化の評価に関して検討する必要があると考えている。
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