2015 Fiscal Year Research-status Report
活性化アストロサイトの意義を探る-ナノサージェリー法を用いて-
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15K15532
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
池島 宏子 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (60265783)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アストロサイト / 二光子レーザー顕微鏡 / トランスジェニックマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでは,損傷後の時期を追って異なるマウスの固定した脳を持いて活性化アストロサイトの挙動解析を行ってきた.しかしながら,この方法ではそれぞれのマウス個体の誤差を含むこととなり,同じアストロサイトを経時的に追跡することはできなかった.そこで本研究では,二光子レーザー顕微鏡(2PLMS)を用いてin vivo imagingすることによって,同じマウス個体の脳内の同じ領域の活性化アストロサイトの挙動を追いかけることが可能となる. 一年目である今年度は,まずアストロサイト特異的に染色可能な色素であるSulforhodamin 101 (SR101)を用いて,穿刺損傷後に活性化するアストロサイトのin vivo imagingを試みた.マウス大脳の感覚野の頭骨にドリルで穴を開けたのちに,脳に対して垂直方向に27Gの注射針で穿刺損傷を行い,SR101を脳表に添加して,十分な洗浄を行ったのちに歯科用セメントで脳に直接カバーガラスを設置した.手術中はもちろん,観察中もマウスは麻酔下で実験を行った. 脳に穿刺損傷を行った日を0日目として,その後のアストロサイトの活性化に関して7日間,経過観察を継続的に行った.但し,SR101は代謝されてアストロサイトが見えにくくなるため,腹腔内への追加投与が毎回必要であった. 切片を用いた解析とほぼ同様なデータを本in vivo imagingでも得られており,脳損傷三日目でアストロサイトの活性化がピークであることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書に記載したトランスジェニックマウスを用いた解析が順調に行われ,ほぼ計画通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
27年度の科研費を利用して購入した新たなトランスジェニックマウスを用いて,これまで得られたデータに関して再現性があるかどうかの確認実験を行う.また,このマウスを用いてlive imagingも行う予定でいる.
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Causes of Carryover |
研究推進するために,新たなトランスジェニックマウスの購入が必要であるためで,米国の研究所に保管されている受精卵からマウスを起こすために,その費用と航空運賃がかかるために予算を確保した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新たなトランスジェニックマウスを利用して,これまでに得られたデータの再現性を確認し,マウスの使い分けをしながら研究を推進させていく.
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Research Products
(7 results)