2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K15545
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
越智 広樹 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30582283)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨代謝 / 神経 / 臓器間クロストーク |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに申請者らは、世界に先駆けて『骨と臓器連関による代謝調節機構』を提唱し、特に、脳-神経系による骨代謝調節機構を明らかにしてきた。一方、生体の恒常性維持の観点から考えると、骨から脳-神経系へのフィードバック機構の存在が必須であると考えられるが、その本態は全く明らかではない。そこで本研究では、骨組織による脳神経系調節機構を明らかとすることを目的に研究を実施する。本研究において我々は、骨組織特異的に膜タンパク質欠損(cKO)マウスを作成したところ、本マウスは著しい成長障害を示すことが明らかとなった。骨形態計測を実施したところ、野生型と比較してcKOマウスでは骨形成の低下に伴う有意な骨量の減少が認められた。加えてcKOマウスの骨組織からRNAを抽出しReal Time PCRにおいて骨芽細胞、破骨細胞ならびに骨細胞のマーカー遺伝子の発現を確認したところ、骨芽細胞マーカー遺伝子の発現が有意に低下していた。cKOマウスでは成長障害が認められたため、血中IGF1およびGH濃度を測定したところ、有意な低下が認められた。加えて、cKOマウスの下垂体組織を採取し、Western Blot法ならびにReal Time PCRにおいて成長ホルモンの発現を解析した結果、mRNAおよびタンパク質ともに発現が有意に低下していた。現在、骨由来の成長ホルモン調節因子を同定するために次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子解析による候補遺伝子の同定を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子組み換え動物の解析、in vitroによる機能解析など当初の計画どおりに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究を継続して実施するとともに新たに以下の項目に関して検討を実施する。 1.遺伝子改変動物の骨および視床下部・下垂体の解析 2.骨組織に由来する神経調節因子の同定 3.骨組織に由来する神経調節因子の機能解析
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Causes of Carryover |
効率的に消耗品を使用することができたことにより、物品費を少なく抑えることができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本検討はin vivoでの実験を主に立案されているため、マウス維持管理の充実、ならびに組織学的解析を実施するために使用する予定である。
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