2015 Fiscal Year Research-status Report
網羅的タンパク結合スクリーニングを駆使したステロイド性骨壊死予防法の開発
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15K15552
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
今井 祐記 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (10423873)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | グルココルチコイド / 大腿骨頭壊死 |
Outline of Annual Research Achievements |
無細胞合成タンパク質による網羅的スクリーニング:当研究センターにて独自に開発されたコムギ胚を用いた無細胞タンパク質合成技術(Takai et al. Nature Protocol 2010)を応用して合成されたおよそ2万個のタンパク質とグルココルチコイド受容体(GR)とのタンパクータンパク結合スクリーニングを行った。具体的には、当研究センター保有の遺伝子ライブラリーを用いて、無細胞タンパク合成(ビオチン標識)を網羅的に行う。合成されたタンパク質の機能評価を、GR自身がホモダイマーを形成する事からGR自身をポジティブコントロールとして利用する。FLAG-TagをN末端に付加したGRを同様の技術で合成し、タンパク同士の結合により発光するアルファスクリーンシステムとマイクロプレートリーダーを用いて、網羅的なタンパク結合スクリーニングを行った。その結果、300を越える蛋白質との明らかな結合シグナルを認めた。これらの蛋白質には、GRとの結合が既報である蛋白質とともに、1)これまでには報告の無い転写因子群、2)これまでに報告の無い蛋白質分解系蛋白質 が含まれていた。この結果から、グルココルチコイドによる新たな細胞内機能や細胞種特異的機能の解析が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画で最も遂行困難が予測されたスクリーニングが順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
Big Dataを用いた細胞種特異性解析:本研究の目的は、第一に下記の如く、細胞種特異的なGR結合タンパク質の同定により、副作用を惹起する転写共役因子(副作用因子)を見出す事である。特発性大腿骨頭壊死症においてステロイドの主作用を担う細胞(T細胞)と副作用を担うと考えられる細胞(肝細胞、脂肪細胞、血管内皮細胞)における発現の程度を、下記に示す複数のデータベースに登録されているから可能な限りのTranscriptome Big Dataを収集し、バイオインフォマティクスを用いて解析し、どのタンパク質がどの細胞種において特異的に発現しているかを統合的に解析する。解析には、Broad Instituteから無償提供されている解析ソフトであるGSEA(Gene Set Enrichment Analysis)を用いる。上記にて十分な分類が出来ない場合には、MeVなどの他の解析ソフトを用いる。
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Research Products
(9 results)