2015 Fiscal Year Research-status Report
疾患特異的iPS細胞を用いた悪性高熱症の発症機構の解明と新規診断法・治療法の開発
Project/Area Number |
15K15574
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森崎 浩 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60182226)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 悪性高熱症 / iPS細胞 / 骨格筋 / 麻酔薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の研究では、麻酔を契機として発症する致死的疾患である悪性高熱症に関して、疾患特異的iPS細胞を用いて解明することが目的である。初年度にあたる平成27年度は当医学部生理学教室および臨床遺伝学センターの研究協力のもと、当教室および関連施設で有している5名の悪性高熱症患者の説明と同意を得た上で、血液検体より疾患特異的iPS細胞を樹立した。この疾患特異的iPS細胞に吸入麻酔薬を一定時間投与することによる生化学的変化を検討するとともに、健常人から樹立したiPS細胞と得られたiPS細胞よりMyoDを用いた方法で骨格筋へ分化誘導を行い、分化誘導が正しく行われているかの評価実験と悪性高熱症の病態の再現性を探求する研究を遂行する準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
説明と同意を得た上で集めた患者検体より順調に疾患特異的iPS細胞を樹立することができた。更なる検証は必要なものの、得られたiPS細胞より骨格筋への誘導に関しても一定の成果は認めている。しかしながら、当初初年度に予定していた悪性高熱症の病態の再現性の評価や、通常状態および悪性高熱症誘発状態での病理組織学的検査・電気生理学的検査に関しては探求に時間を要しており、全体としてはやや遅れている状況と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、初年度の行う予定であった骨格筋への悪性高熱症誘引薬剤の添加実験を行い、得られた結果から悪性高熱症の確定診断に有用な新たな診断法を検討するとともに、iPS細胞から神経細胞・心筋細胞への分化誘導を行い、これらに対する悪性高熱症誘引薬剤添加実験により、合併病変の有無を検討する。
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Causes of Carryover |
平成27年度の予算計画において、物品費に関しては当初よりも実験遂行におたり購入必要なものが少なかったことに加え、旅費300,000円を計上していたもの実際には用いなかったため次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越額は平成28年度文として請求した研究費と合わせて、主に物品費(消耗品費)として合算して使用する予定である。培養消耗品・薬剤費の購入に加え、種々の検査の必要物品購入を行う予定である。
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