2015 Fiscal Year Research-status Report
恐怖記憶形成における麻酔薬作用の分子科学的機序の解明
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15K15575
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
木下 浩之 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70291490)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 麻酔薬 / 脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
驚愕試験、すなわち、明室と暗室が扉でつながったパッシブアボイダンスケージを用いて、連続した3日間をセットとして検討を行った。初日、5分間順化させた。2日目、暗室に入った時に7秒間の電気ショック(0.6mA)を加えた。暗室に入る潜時を獲得時間として計測した。その直後、セボフルラン2.5%あるいは空気を吸入させ、生後8週の雄C57BL6マウスを自発呼吸下で3時間鎮静した。3日目、マウスを明室に入れ、暗室に入る潜時を保続時間として計測した。一方、8方向放射状迷路試験を行った。初日、半日の食餌制限を行った。2日目、高架式8方向放射状迷路のすべてのアームの先端に餌ペレットを置いたのちマウスを迷路内に入れ10~15分探索させ馴化させた。その後、半日の食餌制限を行った。3日目、8本のアームの内4つのアームの先端に餌ペレットを置き、迷路中央からスタートさせたマウスがすべての餌ペレットを獲得し終える(上限は300秒)までの行動を観察した。その直後、セボフルラン2.5%あるいは空気を吸入させ、生後8週の雄C57BL6マウスを自発呼吸下で3時間鎮静した。この日もその後半日の食餌制限を行った。4日目、3日目と同じ4つのアームの先端に餌ペレットを置き、迷路中央からスタートさせたマウスがすべての餌ペレットを獲得し終える(あるいは5分経過)までの行動を観察した。以上の検討の結果、驚愕試験では、セボフルラン吸入群で有意に保続時間が延長するが、空間認知では差がなかった。しかし、空間認知試験で対照群でも学習効果が乏しかったことから、評価方法を再検討する必要があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備実験でGlo1阻害薬の溶媒であるDMSO腹腔内投与で死亡する個体があり、溶媒の濃度や量の調整に難渋している。
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Strategy for Future Research Activity |
Glo1阻害薬の溶媒であるDMSO腹腔内投与を可能とするため、溶媒の濃度や量の調整を急ぎ行う計画である。
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