2015 Fiscal Year Annual Research Report
マウス排尿行動解析システムを用いた低活動膀胱の診断・治療薬の開発
Project/Area Number |
15K15580
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高岡 栄一郎 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50625340)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ストレプトゾトシン / 糖尿病 / マウス / 低活動膀胱 / 排尿行動解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
STZ-DMマウスの確立:既報の論文を参考し、プロトコールを作成した。6週齢のメスB6マウスに対し、1日間の絶食をへたのち、STZ 180mg/kgを腹腔内投与することで80%以上のDM誘導に成功した。さらに1か月後の血糖測定でもDMが維持されていることを確認した。 排尿行動解析:STZ-DMマウス、ならびにage matchedコントロールマウスのaVSOP法による排尿行動解析を行った。aVSOPは48時間測定、12時間おきに昼夜の切り替えを行い測定前2日は同様な環境において慣らしを行ったのち測定をおこなった。STZ-DM誘導マウス(誘導後5週、10 週、3匹ずつ) age matchedコントロールマウス(各週3匹ずつ)の比較ではベースラインの体重は各週ともSTZ-DM群で著明に体重減少を認めた。測定中1日平均飲水量 (測定前体重あたり)は各週ともSTZ-DM群において著明に増加していた。排尿行動解析では 各週ともコントロールに比べSTZ-DM群では著明に多飲、多尿であった。しかし、STZ-DM群は排尿量が多すぎて昼間の排尿行動は解析不能であった。夜間は排尿回数、排尿量ともに減少を認めており、排尿回数、1回排尿量の評価が可能であった。結果、STZ-DMマウスでは1回排尿量の著明な増大を認めた。以上より、今回我々が確立したSTZ-DM誘導マウスは著明な多飲多尿であったが昼夜の排尿パターンは保たれており、さらにコントロールとくらべ1回排尿量の著明な増大つまり膀胱容量の増大を認めた。このことからSTZ-DMマウスにおける排尿筋低活動の可能性が示唆された。今後、誘導後慢性期(15w, 20w)の排尿行動解析、CMGやmuscle stripによる膀胱機能評価、組織・分子発現解析ならびにPGE2膀胱内注入実験をすすめる予定であったが研究責任者が留学するため本研究は中止となった。
|