2016 Fiscal Year Annual Research Report
Ultrasonic Measurement beyond Wave Length Limitation and its Application to a Diagnosis of Male Infertility
Project/Area Number |
15K15586
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
畑 豊 兵庫県立大学, シミュレーション学研究科, 教授 (20218473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上浦 尚武 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (80275312)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超音波装置 / 男性不妊症 / 信号処理 / 周波数解析 / フーリエ変換 / ウエブレット変換 / 直径計測 / 医工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
不妊症のうち,男性側に原因を持つ割合は約 48 %を占めている.男性不妊症の症状の 1 つとして精液中に精子を全く確認できない無精子症がある.無精子症には,輸送性あるいは生産性の問題がある.生産性問題の患者は根本的な治療が不可能とされている.しかし,この患者の場合でも睾丸切開により精巣組織の一部を切除し,切除した組織から精子を採取する方法がある.現在は,精子が回収可能かどうかの判断は,精巣組織中に存在する精細管の太さによって判定される.精子回収が可能な精細管の直径は 250-300μm であり,不可能な直径は150μm 未満とされている. 本研究では,超音波装置で精細管の直径を計測し,患者の手術の可否を決定できるシステムの開発を行う.平成27年までの研究で,線状物質に対する反射波のピーク周波数が直径の逆数に比例することを明らかにした.本年度は,この特性およびファジイ推論に基づく可視化を論文としてまとめ,IEEEの論文として受理された.平成27年までの研究では,短時間フーリエ変換(STFT)を用いていたが,STFT では, 周波数分解能と時間分解能が窓幅によりトレードオフの関係となる.すなわち,直径を詳細に測定するために周波数分解能を上げると,空間分解能が下がる.そこで平成28年度は,STFT における上記トレードオフ問題を解決する手段として,連続ウェーブレット変換を用いた.これは周波数分解能と時間分解能を両立した時間-周波数解析が可能である.ここでは,精細管と類似した極細線状物質に超音波広帯域アレイプローブを適用し,得られた波形からその直径及び位置情報の可視化が可能なシステムを提案した.実験結果として STFT を適用する場合は直径判別もしくは物質位置特定のいずれか一方が低精度となるが, 本方法では直径・位置の両計測が良好に行えた.
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