2016 Fiscal Year Annual Research Report
Integrated approach in investigation of gynecologic tumors based on their microenvironments
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15K15603
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩瀬 明 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院教授 (20362246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 智子 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40732681)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / 卵巣癌 / チョコレートのう胞 / 腹膜播種 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの検討で、手術時摘出検体から分離した腹膜中皮細胞および卵巣上皮細胞の初代培養コンディションドメディウム添加で、子宮内膜間質細胞、子宮内膜症間質細胞(以下チョコレート嚢胞間質細胞)、卵巣癌細胞の増殖促進と、細胞外マトリックスへの接着増加をみとめた。 当初予定では、腹膜中皮細胞および卵巣上皮細胞の初代培養コンディションドメディウムに、子宮内膜間質細胞、チョコレート嚢胞間質細胞、卵巣癌細胞の増殖促進効果等に差がみとめられた場合に、その差をもたらす性質の違いを検討する予定であったが、腹膜中皮細胞由来コンディションドメディウムおよび卵巣上皮細胞由来コンディションドメディウムに明らかな差がみとめられなかった。 そのため、本年度後半の研究として、コンディションドメディウム添加にて促進された細胞外マトリックスへのチョコレート嚢胞間質細胞接着時にみられる変化の解析を中心におこなった。チョコレート嚢胞間質細胞は細胞外マトリクス接着時に、FAK依存性にMCP-1とTGFβの発現が増加していることを見出した。手術検体を用いた免疫組織染色では、チョコレート嚢胞間質細胞のMCP-1の染色とマクロファージの浸潤に正の相関をみとめた。さらにTGFβ添加によりチョコレート嚢胞間質細胞中のαSMA発現が増加することを見出した。以上の結果は、子宮内膜症間質細胞ー細胞外マトリクス接着時にFAK依存性の炎症惹起と線維化形成機転が働くことを示しており、FAKが子宮内膜症治療のターゲットとなりうることを示唆している。
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