2015 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠高血圧症候群モデル動物の開発と発症メカニズム解明
Project/Area Number |
15K15607
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊川 正人 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (20304066)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 妊娠高血圧症候群 / レンチウイルスベクター / 胎盤 / ゲノム編集 / 高血圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
胎盤の機能や形成機構に関する研究は、不妊・不育や、流産の原因解明などの観点から社会的要求性が高いものの、個体レベルでの遺伝子機能解析が困難であった。本研究では、最新のCRISPR/Cas9ゲノム編集技術を用いて、ヒト産科疾患の新規要因を高効率で同定すること、レンチウイルスベクターを用いた胎盤特異的遺伝子操作による機能解析を目指した。 Unigeneなどのデータベース検索により、胎盤特異的に発現する遺伝子を選び、さらに蛋白質ドメイン解析を基に、6遺伝子を選んだ。それらについてsgRNA/Cas9発現プラスミドを受精卵に注入し、遺伝子破壊マウス系統を樹立した。5遺伝子については、ホモ変異個体に異常は認められず、妊孕性の低下も認められないことから、重要でないと判断して解析を中止した。残る1遺伝子については、ホモ雌から生まれる産仔が小さいことから、詳細な解析を進めている。 レンチウイルスベクターを用いた胎盤特異的遺伝子操作による機能解析では、クローン胎盤において発現量が増加する遺伝子として知られているPlac1(Placental specific protein 1)の発現量が重要であり、過剰でも不足でも胎盤形成異常と胎児発育不全を起こすことを明らかにした。 上記のように、CRISPR/Cas9システムによる遺伝子破壊と胎盤特異的遺伝子発現を組み合わせることで、個体レベルで胎盤形成や妊娠などに関する遺伝子機能解析を効率的に進める系を確立した。
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Research Products
(5 results)