2016 Fiscal Year Research-status Report
直線加速・回転加速刺激による動物用前庭誘発脳電位検査の開発
Project/Area Number |
15K15616
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩崎 真一 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10359606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江上 直也 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10505895)
藤本 千里 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60581882)
松本 有 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80548553)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生理学 / 脳・神経 / 神経科学 / 前庭 |
Outline of Annual Research Achievements |
誘発反応を応用して、マウスやラットなどの実験動物における前庭機能を簡便に評価するシステムの開発を行い、下記の成果を得た。 1.動物用耳石器機能測定装置の開発改良:既に作製した加振機による前庭誘発脳電位(vestibular evoked brainstem potential:VsEP)測定装置を改良し、卵形嚢と球形嚢の機能を別々に測定可能なシステムの構築を継続して行った。動物の頭部に振動を与える加振機の改良と制御用のプログラムを改善し、簡便に検査が可能なシステムの開発を行った。また、卵形嚢と球形嚢の機能を別々に測定するために、頭部固定の角度がケア得られる頭部固定装置と、小型の加振機を用いて、マウスおよびラットよりVsEPの記録を行った。 2.マウスから記録したVsEPが前庭由来であることを確認する目的で、ゲンタマイシンおよびカナマイシンで内耳を破壊したマウスからVsEPを記録し、聴力検査の指標である聴性脳幹反応(auditory brainstem potential)の波形と比較検討し、VsEPが聴力ではなく、前庭由来の反応であることの確認を行った。また、内耳を外科的に破壊した場合は、VsEPが消失し、内耳由来の反応であることも併せて確認した。 3.動物用三半規管機能測定装置の開発:微細な回転運動の可能なステッピングモーターをベースとした回転刺激装置により、動物の頭部に回転刺激を繰り返し与え、回転刺激によるVsEPの記録を目的とした装置を試作した。VsEPの記録に適した回転刺激の速度、振幅、刺激回数などの様々なパラメータにつき、検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物の耳石機能を測定するVsEP記録装置の開発は順調に進展しており、その妥当性についての検討も進んでいるが、三半規管機能測定装置については、刺激パラメータの設定が不安定で、再現性を欠いているため、試行錯誤を繰り返している。
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Strategy for Future Research Activity |
動物の耳石機能を測定するVsEP記録装置の開発については、蝸牛および前庭の破壊実験をさらに進める。三半規管機能測定装置については、刺激パラメータの設定の検討を繰り返すとともに、うまく行かない場合は、新たな試作機の作製も検討する。
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Causes of Carryover |
回転刺激によるVsEP測定のパラメータ設定が予定通り進まず、動物代、標本の組織学的解析に使用する経費が余ってしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
直線刺激・回転刺激によるVsEPを測定し、薬剤および外科的に破壊した内耳の組織学的解析に経費を使用する予定である。
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