2015 Fiscal Year Research-status Report
免疫学に基づいた緑内障手術の新たな臨床エビデンスの確立
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15K15630
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
稲谷 大 福井大学, 医学部, 教授 (40335245)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 眼免疫学 / 緑内障 |
Outline of Annual Research Achievements |
トラベクレクトミーは、眼内と眼表面に交通ができ血液房水関門が破綻する。非常に興味深いことに、両眼にトラベクレクトミーを行うと、後で行った眼の成績が有意に悪い結果が得られた。ぶどう膜炎や内眼手術歴のある緑内障眼では、術後成績が著しく不良であることを明らかにした我々の研究報告も含めて、免疫応答がトラベクレクトミーの予後に重要であることに着目した。本研究の目的は、前房内の抗原が房水の流れに乗って、結膜下に存在する抗原提示細胞に結合し、頸部リンパ節のT細胞を増殖活性化させ、再曝露である次回のトラベクレクトミーで濾過胞退縮に陥るという分子機構を明らかにすることである。多施設後ろ向き調査で症例を100例200眼集め、開放隅角緑内障患者で、トラベクレクトミーが初回手術で、両眼とも有水晶体眼か眼内レンズ挿入眼を対象に、術後眼圧を評価した。先行眼と後行眼との術間隔が、手術成績に大きく影響する因子であることがあきらかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
27年度の研究計画通り、多施設調査をおこない、新規性のある研究データをえることができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の平成28年度の研究計画通り、今後の研究を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
動物実験の追加実験で次年度の実験と並行しておこなう必要性が生じたため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ウサギを用いたトラベクレクトミーの実験を術後の免疫反応を見る実験と並行しておこなうための動物購入費に充てる予定である。
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Research Products
(6 results)