2015 Fiscal Year Research-status Report
中心視野の再生に資する2光子励起イメージングを用いた新規機能解析法の確立
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15K15631
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小坂田 文隆 名古屋大学, 創薬科学研究科, 講師 (60455334)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 2光子顕微鏡 / ウイルスベクター / 中心窩 / 受容野 / 網膜神経節細胞 / 錐体視細胞 / 中心視野 / オプシン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、網膜からのイメージング系の基盤を構築する目的で、2光子顕微鏡の導入、ウイルスベクターの作製、in vitroでのウイルス感染系の確立を行った。 まず2光子顕微鏡のセットアップを行った。システムの主な導入ポイントを以下に挙げる。多色による標識と可視化を行うために、それが可能なデュアルレーザーおよび検出器、フィルターセットなどを整備した。網膜の水平方向および深さに対応できる対物レンズおよび光軸方向に高速移動が可能なピエゾ素子を導入した。網膜を静置・観察するチャンバーには2種類を検討した。混合ガス(酸素 95%・二酸化炭素 5%)をバブリングした緩衝液を灌流する実験系、および二酸化炭素に依存しない緩衝液を用いて灌流が不要な実験系を開発した。イメージング中に観察する網膜を固定するために、2種類の方法を検討した。単離網膜にアンカーを置いて固定する方法、および網膜をアガロース中に包埋する方法である。イメージングの時間や目的に応じて、緩衝液や灌流方法、固定法を選択するのが良いと考えられた。 次に特定細胞を特異的に標識する目的で、マウス遺伝学を用いて遺伝子発現を行う方法と、ウイルスベクターによる導入方法を検討した。マウス遺伝学については複数のCre発現マウスおよびGFP発現マウスを導入した。ウイルスベクターにはHIV(Human Immunodeficiency Virus)を用い、ゲノムベクターの構築およびウイルスの作製を行った。ウイルスの感染にはin vivoで硝子体内投与および網膜下投与を検討し、in vitroでは単離網膜の感染・発現系を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに主に2光子顕微鏡の導入、ウイルスベクターの作製、in vitroでのウイルス感染系の確立を行った。次年度への基盤ができ、おおむね順調に進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
より長期間のイメージングが可能な系への改良、視覚刺激との連動、データ解析法の開発を目指す。
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