2015 Fiscal Year Research-status Report
Type I インターフェロンによる慢性創傷の炎症制御法の開発
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15K15648
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
相澤 貴之 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (00747107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 恵美 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10431595)
館 正弘 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50312004)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 創傷治癒学 / Type Ⅰインターフェロン |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫学では、炎症に対するType I インターフェロン (IFN) の免疫調整作用が注目されている。Type I IFNは肝炎ウイルス排除に有効なサイトカインとしてよく知られているが、創傷治癒過程に与える影響については不明な点が多い。本研究では創傷治癒におけるType I IFNのに注目し解析を行った。 平成27年度はTypeⅠインターフェロンが創傷治癒にどのように関与するか解明するため、野生型マウス(WT)とTypeⅠインターフェロンの受容体を欠損したマウス(IFNAR1KO)を用い、TypeⅠインターフェロンが治癒過程(創閉鎖、筋線維芽細胞分化、血管新生、コラーゲン合成)に与える影響を解析した。その結果、WTマウスに比べIFNAR1KOマウスにおいて創作成5日目の創閉鎖率および血管新生が有意な低下を認めた。一方、筋線維芽細胞数、コラーゲン合成に差は認められなかった。 以上のことから、創傷治癒過程においてTypeⅠインターフェロンは創閉鎖、血管新生に関与することが明らかになった。 次年度は、TypeⅠインターフェロンが創傷治癒促進に関与するメカニズムおよび、TypeⅠインターフェロンを創部に投与することにより、創傷が促進するか否か検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度は急性創傷におけるTypeⅠインターフェロンの役割に注目し解析を行ったが、慢性創傷における役割についても解析を行う予定であるため、少し遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
急性創傷においてTypeⅠインターフェロンが創傷治癒促進に関与することが明らかとなったため、そのメカニズムに注目し解析を行う。また、併せて慢性創傷においてもTypeⅠインターフェロンが創傷促進に関与するか明らかにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
端数がでてしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額には、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成28年度請求額とあわせ、平成28年度の研究遂行に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)