2016 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞由来エクソソームの皮膚創傷治癒に与える影響に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15K15652
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神戸 未来 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50597862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 譲 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10257678)
蛯沢 克己 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20397459)
加藤 竜司 名古屋大学, 創薬科学研究科, 准教授 (50377884)
高成 啓介 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80378190)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | iPSエクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ヒトiPS Exoの分離:超遠心法より純度の高いエクソソームを得るため、iPS細胞株201B7細胞の培養上清からエクソソーム回収キットを用いエクソソームを分離・回収した。40mlの培地から分離・回収したペレットのタンパク質量は115.33μgであった。 (2)ヒトiPS-Exoの特性解析:透過型電子顕微鏡にてiPS-Exoのサンプルに直径100~150nmの二重膜の微小泡を確認した。フローサイトメトリーの結果、iPS-Exoでは、CD9、CD63、CD81陽性HLA-ABC、HLA-DR陰性であることを確認した。 (3)ヒトiPS-Exoによる皮膚創傷治癒関連細胞への影響:皮膚創傷治癒におけるエクソソームの影響を調べるため、2型糖尿病マウスから皮膚線維芽細胞を採取した。iPS-Exoが線維芽細胞の遊走能に対する影響を観察するためスクラッチアッセイを行ったところ、iPS-ExoはMEF-Exoと培地のエクソソームとエクソソーム無添加と比較して優位に高い値を示した。また線維芽細胞増殖に及ぼす影響を調べたところ、iPS-ExoはMEF-Exoと培地のエクソソームとエクソソーム無添加と比較して緩やかな増殖を示した。 (4)iPS-Exoの皮膚欠損モデルに対する影響:糖尿病性潰瘍モデルを用い、iPS-Exo、培地のエクソソーム、PBSをそれぞれ創傷内に局所投与後、継時的創面積の変化を比較検討した。また、免疫化学的検討として血管密度と神経密度を観察した。術後7及び10日後の創部面積は、培地のエクソソーム群、PBS群と比較し、iPS群で優位に小さかった。術後7日後のiPS-Exo群の血管密度は、培地のエクソソーム群、PBS群と比較し、統計学的に優位に高い値を示した。術後28日目の神経密度も、他の2群と比較し、iPS-Exo群で優位に増加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
iPSエクソソームの皮膚創傷治癒に与える影響に関する検討に関しては、論文化する段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
計画に従い実験を行っていく
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Causes of Carryover |
比較的順調に実験が進んだため、消耗品などが予定より少なくてすんだため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
解析をさらに深めるためにマイクロアレイなどの追加実験を行う。それ以外は研究計画に従い実験を行っていく予定である。
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