2017 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞由来エクソソームの皮膚創傷治癒に与える影響に関する基礎的研究
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15K15652
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神戸 未来 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50597862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 譲 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10257678)
蛯沢 克己 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20397459)
加藤 竜司 名古屋大学, 創薬科学研究科, 准教授 (50377884)
高成 啓介 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (80378190)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エクソソーム / 皮膚線維芽細胞 / 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度のデータを論文投稿するにあたり、追試を兼ねてサンプル数を増やして実験を行った。 ヒトiPS-Exoによる皮膚創傷治癒関連細胞への影響:皮膚創傷治癒におけるエクソソームの影響を調べるため、2型糖尿病マウスから皮膚線維芽細胞を採取した。iPS-Exoが線維芽細胞の遊走能に対する影響を観察するためスクラッチアッセイを行ったところ、iPS-Exoは培地のExo (M-Exo)と培地のエクソソームとエクソソーム無添加と比較して遊走能が高い傾向を示したが、統計学的には優位差を認めなかった。また線維芽細胞増殖に及ぼす影響を調べたところ、iPS-ExoはM-Exoと培地のエクソソームとエクソソーム無添加と比較して細胞増殖能力を促進する傾向を示したが統計学的な有意差を認めなかった。 iPS-Exoの皮膚欠損モデルに対する影響:糖尿病性潰瘍モデルを用い、iPS-Exo、M-Exo、PBSをそれぞれ創傷内に局所投与後、継時的創面積の変化を比較検討した。術後7日目及び10日目の創部面積は、それぞれiPS-Exo群で22.3%と15.1%、M-Exo群で41.0%と31.2%、PBS群で52.4%と30.9%であり、術後7日目、10日目ともに他2群と比較してiPS-Exo群は優位に創閉鎖を促進していた。しかし最終的な創閉鎖に要する日数については有意差を認めなかった。 また、免疫化学的検討として神経密度を観察した。術後28日目の神経密度はiPS-Exo群・M-Exo群はPBS群と比較して優位に神経密度が高かったが、iPS-Exo群とM-Exo群の間に統計学的な有意差は認めなかった。 以上の結果をもとに国際学会にて発表を行い、現在英語論文を投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
iPSエクソソームの皮膚創傷治癒に与える影響に関する検討に関しては論文化し、現在Nagoya Journal of Medical scienceに投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
エクソソームの皮膚創傷治癒における線維芽細胞増殖や神経密度の増殖傾向は見られるが、有意差が得られていないため、サンプル数を増やして再度実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
追加の実験を行うための余剰を残してある。解析をさらに深めるためにマイクロアレイなどの追加実験を行う。それ以外は研究計画に従い実験を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)