2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K15655
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
須永 中 自治医科大学, 医学部, 講師 (00406117)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ケロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
患者より採取した正常皮膚検体5個とケロイド検体5個よりタンパク質を抽出し、正常皮膚由来タンパク質抽出液(NS-P)とケロイド組織由来タンパク質抽出液(Ke-P)を得た。NS-PとKe-Pをそれぞれヒト由来樹状細胞株の培養液に添加・培養した。(前年度に引き続き、タンパク質抽出液の添加量と培養期間の条件設定に難渋した。)ヒト由来樹状細胞よりRNAを抽出し、リアルタイムPCRにより炎症性サイトカイン(IL-1、IL-6、IL-8、IL-12、IL-18、TNFα)の遺伝子発現を比較解析した。しかし、検体間・サイトカイン間の差が非常に大きく、NS-P群とKe-P群の間に有意差を認めることが出来なかった。そのため、ケロイド検体の中で最も炎症性サイトカイン(IL-1、IL-6、IL-8、IL-12、IL-18、TNFα)の遺伝子発現を上昇させる検体を選定し、その検体を用いてDAMPsを同定する方針に変更した。ケロイド検体10個よりタンパク質を抽出し、ヒト由来樹状細胞株の培養液に添加・培養した。ヒト由来樹状細胞よりRNAを抽出し、リアルタイムPCRにより炎症性サイトカイン(IL-1、IL-6、IL-8、IL-12、IL-18、TNFα)の遺伝子発現を比較解析した。その結果、炎症性サイトカイン、特にIL-1、IL-6、TNFαの遺伝子発現を最も上昇させる3検体を選定することができた。来年度はこの3検体からのKe-PよりDAMPsが含まれると考えられる分画を同定する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度において、タンパク質抽出と培養液への抽出液添加量の条件設定のために蓄積してあった保存検体の大半を使用してしまい、ケロイドの手術対象となる新規患者を待たなければならなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
正常皮膚群とケロイド群5例ずつでは、樹状細胞の炎症性サイトカインの遺伝子発現に有意差を生じなかったため、ケロイド検体の中で最も発現を上昇させる検体を選定した上で、DAMPsが含まれると考えられるタンパク質の分画を同定したい。
|
Causes of Carryover |
関連論文をオープンアクセスジャーナルに投稿し、投稿料の支払いをカードで行ったが、実際の引き落としが年度をまたいで執行されるため、その分を繰り越した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
投稿料として速やかに使用する。
|