2015 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外組成イメージングシステムを用いた新しい組織障害評価法の開発
Project/Area Number |
15K15662
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小池 薫 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10267164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 慶子 日本医科大学, 医学部, 助教 (30165162)
金涌 佳雅 日本医科大学, 医学部, 講師 (80465343)
佐藤 格夫 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30409205)
鈴木 崇生 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40328810)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 近赤外分光法 / 虚血 / 再灌流 / イメージング / スペクトル / 臓器障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
近赤外(線)分光法は、非破壊、非接触で、瞬時に測定できる電磁波計測法であり、病態が時々刻々と変化する救急・集中治療領域においては、リアルタイム計測ツールとして大きな魅力を有する。本研究では、小腸虚血・再灌流(IR)動物モデルを被検対象とし、「近赤外組成イメージングシステム(NIRイメージング)を用いて、迅速に組織障害を検出し評価する技術」を開発することを目的とした。小腸虚血・再灌流ラットの小腸を、NIRイメージングを用いて非侵襲的に計測し、スキャンした近赤外rawデータをRGBカラーモデルによる色変換で可視化(NIR擬似カラー画像)した。同時にデジタルカメラによる撮像も行った。可視化された画像上で関心領域における近赤外スペクトルデータを解析し、組織障害に特徴的なピークを検出できるかどうか検討した。 IR群では、ラットを3~5%イソフルラン麻酔下に開腹し、クリップで上腸間膜動脈血行遮断を行い、45分後に血流を再開した。再灌流1時間後に縫合糸を用いて閉腹し、一旦吸入麻酔を終了した。 再灌流後4時間には再度イソフルラン麻酔下で開腹した。sham群では、血行遮断以外の手術手技はすべてIRと同じ処置を行った。NIRイメージングとデジタルカメラによる可視画像の記録は、虚血前、虚血45分後、再灌流4時間後に行った。虚血前と肉眼的に比較して、IR群の小腸は、虚血45分後には大きな変化は見られなかったが、再灌流4時間後では浮腫と腸管内出血が確認された。sham群の小腸では、経時的な変化は見られなかった。NIR擬似カラー画像も、小腸の同様の変化を捉えていた。NIR擬似カラー画像上から得られたNIRスペクトルの経時変化を比較観察すると、sham群では変化は見られなかったが、IR群では、虚血前、虚血45分後、再灌流4時間後で明らかに異なるスペクトルパターンを示した。
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