2016 Fiscal Year Research-status Report
時計遺伝子の不均衡と病態との関連性と介入の可能性についての検討
Project/Area Number |
15K15666
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
舩木 一美 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (30423263)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 時計遺伝子 / せん妄 / 重症度 / 予後 |
Outline of Annual Research Achievements |
日内リズムは視床交差で調節され、時計遺伝子が司っている(中枢時計遺伝子)。また、他の臓器でも同様の遺伝子群が末梢時計遺伝子として発現している。時計遺伝子は、睡眠障害、循環器疾患、糖尿病などに関係し、敗血症モデルでは時計遺伝子の中枢と末梢の不均衡が炎症反応を悪化させていることも報告されている。このことは、時計遺伝子の中枢と末梢の不均衡が病態の深刻度や病態の改善に関与している可能性を示している。また、時計遺伝子は介入できる可能性が報告されてもいる。ただし、重症患者で検討した報告はないため、重症患者の時計遺伝子の中枢と末梢の不均衡がせん妄を含む病態の重症度と関係しているのか、時計遺伝子への有用な介入法があるのかは不明であり、これらのことを検討することが本研究の目的である。 予定手術で術後に集中治療室での重症管理を必要とする患者を対象とした。また、あまり侵襲度が大きくない患者では、侵襲度の大きい患者を登録している。 中間解析であるが、時計遺伝子の中枢と末梢の不均衡とせん妄などの病態の重症度との間には有意な相関関係を認めていない。また、時計遺伝子と炎症性サイトカインについても検討中だが、こちらについても有意な相関関係を認めそうになっているが、時計遺伝子の中枢と末梢の不均衡が原因とは言い難い状況である。現時点では、登録患者がまだ少なく、バラツキが大きいことがあり、より多くの患者が解析には必要であるため、研究を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
採血検査が比較的多いため、患者同意がとりにくく、登録数が増えにくい状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
時計遺伝子の中枢と末梢の不均衡が病態の重症度に関与しているのかについて結論を出すことが第一目的であり、登録患者を増やしていく。 時計遺伝子への介入法も多変量解析で可能性を探っていく。
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Causes of Carryover |
症例登録が予定より少なかったため、mRNA測定などに使用するはず研究費が残ってしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
登録した症例におけるmRNA測定など使用していく。
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