2015 Fiscal Year Research-status Report
ダイアフラム型ポンプを用いた超低容量血液浄化システムの開発
Project/Area Number |
15K15669
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
石川 健 岩手医科大学, 医学部, 講師 (30326649)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ダイアフラム型ポンプ / single-needle dialysis / 血液透析 / 新生児 / 小児 / 低容量回路 / 体外循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
(本研究の全体構想)ダイアフラム型血液循環ポンプを用いた血液浄化システムを開発し、in vitro とin vivo で安全性・物質除去効率を検証し、実用化を目指す。 (本研究の具体的な目的)single-needle dialysis(SND)は、脱血と送血の位相を変えて交互に行うことで、1 本のブラッドアクセスルートで血液浄化療法を施行する方法である。SND は,必要なブラッドアクセスは1 本で、回路の低容量化が容易で、特に、体格の小さな小児に利点がある。現在、SND は成人領域の血液透析でローラーポンプにチャンバーと開閉式のクランプを組み合わせ、脱血と送血を異なる位相で作りだし施行されている。また我々が開発したシリンジポンプを利用した超低容量回路のSNDシステムもin vitroで有効性を証明できた。しかし、シリンジポンプでは、シリンジバレルとガスケットによる機械的な圧迫や摩擦で血球破壊の懸念がある。このため機械的な圧迫や摩擦を直接受けにくいダイアフラム型ポンプを使用した超低容量SND システムの開発を行うことを目的としている。平成27年度は、試作機を作成し血液循環がスムーズに行えるかどうかの検証を行った。試作機の回路容量は約100mlであり、今後低容量化は必要であるが、長時間の血液循環が可能であることを確認した。この成果を第60回日本新生児成育医学会・学術集会で発表・展示した。この試作機の構成をもとに、現在、各部品を調達し、ダイアフラム型ポンプを使用した超低容量SND システムの低容量化を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでにダイアフラム型ポンプを用いた試作機を完成させ、血液循環が可能なことを確認した。現在は試作機の回路容量は約100mlと大きいため,この試作機の構造に基づき低容量化をはかり、体格の小さな小児や新生児にも適用できるシステムの作成を行っている。部品調達に時間がかかり、多少の研究の遅れは生じているものの、システムの作成が完成すれば、in vitro, in vivo 実験は既に行ったことがあり、研究は軌道に乗ると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
作成したダイアフラム型ポンプを使用したSND 型超低容量EBPT システムを用いて、 ①血液バッグに抗凝固薬入りの全血を入れ、これに上記のシステムを接続し24 時間、全血を循環させ、循環の定常性、気泡混入率、血栓形成の有無、赤血球変形の有無を評価 ②。バックに貯血した全血に浄化目的の溶質を添加し、これに作成した回路を接続し血液透析を行い溶質除去能を評価する。 ③上記の①と②のin vitro の研究で得られた改良点を本システムに反映させた回路を作成する。 この回路を用いて動物の急性腎不全モデルで、24 時間の血液透析を行い、安全性と有効性の評価を行う。in vivo で得られた改善点を反映した長時間のEBPT 使用に耐え得るシステムを作成する。
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Causes of Carryover |
これまでにダイアフラム型ポンプを用いた試作機を完成させ、血液循環が可能なことを確認した。現在は試作機の回路容量は約100mlと大きいため,この試作機の構造に基づき低容量化をはかり、体格の小さな小児や新生児にも適用できるシステムの作成を行っている。部品調達に時間がかかり、多少の研究の遅れは生じているものの、システムの作成が完成すれば、in vitro, in vivo 実験は既に行ったことがあり、研究は軌道に乗ると考えている。 平成28年度は本システムを完成させ、実証実験を行う予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
作成したダイアフラム型ポンプを使用したSND 型超低容量EBPT システムを用いて、①血液バッグに抗凝固薬入りの全血を入れ、これに上記のシステムを接続し24 時間、全血を循環させ、循環の定常性、気泡混入率、血栓形成の有無、赤血球変形の有無を評価。②バックに貯血した全血に浄化目的の溶質を添加し、これに作成した回路を接続し血液透析を行い溶質除去能を評価する。③上記の①と②のin vitro の研究で得られた改良点を本システムに反映させた回路を作成する。この回路を用いて動物の急性腎不全モデルで、24 時間の血液透析を行い、安全性と有効性の評価を行う。in vivo で得られた改善点を反映した長時間のEBPT 使用に耐え得るシステムを作成する。上記の実験に予算を使用する予定である。
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