2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of blood purification system with ultra-samll volume using diaphram pump
Project/Area Number |
15K15669
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
石川 健 岩手医科大学, 医学部, 講師 (30326649)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | single-needle dialysis / ダイアフラム型血液循環ポンプ / 新生児 / シリンジ型血液循環ポンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
single-needle dialysis(SND)の原理に基づき,シリンジ型血液循環ポンプを用い,新生児用の,世界最小体外循環回路を持つ血液浄化システム(以下,本システム)のプロトタイプを開発した.しかし,シリンジ型血液循環ポンプによる機械的な圧迫や摩擦で,血球が破壊される危険性があり,ダイアフラム型血液循環ポンプの試用を発案し,シリンジ型との比較を行った. 最初に,シリンジ型血液循環ポンプによる血球破壊の評価を行った.貯血した血液バッグにシリンジ型の本システムを装着し3時間の血液循環を行った.同時間放置した血液検体との間で,血球破壊を示す遊離ヘモグロビンの有意な上昇は認められなかった.このため,ダイアフラム型とシリンジ型本システムの血球破壊の比較には,24時間の血球循環を行うことで評価した.ダイアフラム型・シリンジ型ともに放置検体との間で,遊離ヘモグロビンの有意な上昇が認められ,長時間の血液循環では溶血性変化が起きることが明らかとなった.また,24時間の血液循環中,ダイアフラム型本システムでは血液循環の量が一定ではないことが観察された.ダイアフラム型・シリンジ型ともに,血球破壊を示す凝血塊の形成は,血液浄化膜の入り口に,シリンジポンプ型ではY字弁部にも形成された.ダイアフラム型本システムの血液循環量の変化を数値化するために,フローセンサーと圧センサーを組み込み観察を行った.血液浄化膜の入り口圧の上昇とともに,設定した流量が循環せず減少した.一方,シリンジ型では血液浄化膜の入り口圧の上昇した状況でも流量は一定であった. ダイアフラム型本システムは,シリンジ型と比較して,血球の機械的破壊の低減という優性性は示されなず,回路内圧上昇とともに一定の量を循環させるというポンプ機能を維持できないことが示された.今後の実用化に際し,血液循環用ポンプ・血液浄化膜の改良が必要である.
|