2017 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamics of blood nucleophosmin in sepsis and correlation between NPM and prognostic factors
Project/Area Number |
15K15671
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
今泉 均 東京医科大学, 医学部, 教授 (70203304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
升田 好樹 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10244328)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 敗血症 / 敗血症性ショック / 臓器障害 / Nucleophosmin / HMGB1 / Histon蛋白 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,侵襲時に「危険信号」を知らせるアラミン(Alamin)は炎症を増幅させ,臓器障害や予後を悪化させる内因性物質で,High Mobility Group Box-1(HMGB1)やヒストン蛋白が挙げられる。私達は,核小体に豊富に存在するヌクレオフォスミン(Nucleophosmin, NPM),に着目し,敗血症ラットではNPMが血液中のみならず,体液中にも発現することを報告した(J Leukoc Biol 86: 645-653, 2009)。 本研究の目的は,ラットの敗血症モデルにおいて, 血液中のNPMやHMGB1, ヒストン蛋白が経時的にどのような経過をとるのか,また敗血症症例の保存凍結検体において,血中NPMやHMGB1, ヒストン蛋白濃度と患者のどのパラメータと関連が強いのかを検討した。 <実験1>対象と方法:盲腸結紮針穿刺によるラットの敗血症モデルを用い,血中のNPMやHMGB1, ヒストン蛋白濃度を24時間測定,観察した。結果:血液中のHMGB1は4時間後から,ヒストンは8時間後から増加し,16時間をピークに漸減した。HMGB1とヒストンは高い相関がみられ(R2=0.8),NPMとヒストンとの間にも弱い相関がみられた(r2=0.4)。 <実験2>対象と方法:敗血症患者の保存血漿を用いて,NPM, HMGB1, ヒストン蛋白濃度を測定し,バイタルサイン,SOFAなどの重症度,PCT, CRPなどの検査との相関を検討した。結果:NPMは敗血症性ショックでは有意な増加し,SOFA scoreとも有意な相関が得られた。 結語:新定義Sepsis-3では「敗血症は臓器障害を伴う感染症」と定義される。PNMは他のアラミンに比べ,臓器障害とよく相関することから,敗血症の診断,治療における重要なパラメータとなりえる。
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