2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K15686
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
自見 英治郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40276598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古株 彰一郎 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (30448899)
福島 秀文 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (70412624)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | NF-κB / p65サブユニット / リン酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
転写因子NF-κBのp65サブユニットは様々なキナーゼによって複数の部位のセリン残基がリン酸化されることでpost-translationalな転写調節を受ける。多くのリン酸化部位のうち536番目のセリン(S536:マウスでは534番目)のリン酸化は転写活性を促進することが報告されているが、これらの報告は全て培養細胞を使った実験結果であり、S536のリン酸化の生理的役割は不明である。そこで我々はS536の生理的役割を明らかにする目的で534番目のセリンをアラニンに置換したノックインマウス(S534Aマウス)を作製した。S534Aマウスは野生型(WT)マウスと比較して外見上大きな変化はなかったが、高脂肪食を与えると、WTマウスより著明な体重増加が認められた。次にWTおよびS534Aマウス胎仔より線維芽細胞(MEF)を調製し、TNFαで刺激するとS534Aマウス由来MEFではS534のリン酸化は認められなかった。さらにS534Aマウス由来MEFではTNFα刺激によるNF-κBの転写活性の亢進が認められた。また、S534A由来MEFではTNFα刺激によるp65が長期に核へ移行し、標的遺伝子のプロモーターへの結合も延長した。次にシクロヘキサミドでMEFを前処理し、TNFαで刺激するとS534A由来のMEFではp65の半減期が延長した。そこでMEFをTNFαで刺激し、1時間後に抗p65抗体で免疫沈降し、抗ユビキチン抗体でブロットするとS534A由来のp65はユビキチン化が抑制されていた。 以上の結果より、S534がリン酸化されることで、核内でプロテアソームによって分解される可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NF-κB, p65サブユニットS536のリン酸化が核内でプロテアソームによる分解の標的になる可能性が示唆された。これまでのS536のリン酸化が転写活性の促進に重要であるという知見と全く異なるものであるが、S534Aノックインマウスでも高脂肪食に対して、より肥満になることを考えると、S534AではNF-κBシグナルがより増強していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
核内でp65をユビキチン化するユビキチンリガーゼを含む複合体を構成するタンパク質を同定し、論文にまとめて発表する。
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