2015 Fiscal Year Research-status Report
PTH製剤の間歇的局所輸送による革新的なグラフトレス骨増生法の開発
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15K15711
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
澤瀬 隆 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (80253681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒嶋 伸一郎 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (40443915)
佐々木 宗輝 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10706336)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | デンタルインプラント / 骨増生 / PTH製剤 / グラフトレス / ドラッグデリバリーシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
補綴歯科治療において、高度に吸収した顎堤はインプラント治療や義歯治療を困難にすることから、顎骨再生を確実に行う技術の開発が重要課題となっている。国内で認可を受ける移植材料は自家骨と人工骨補填材のみだが、自家骨移植は外科的侵襲や合併症のリスクを伴うこと、また、異物である人工移植材料は骨組織との理想的な置換が難しいことが示されており、低侵襲で効果的な骨増生法の開発が求められている。本研究では、近年骨粗鬆症治療薬として認可された副甲状腺ホルモン(PTH)製剤に着目し、PTH 製剤の間歇的局所輸送によるインプラト周囲骨骨増生を提案する。さらに、PTH 製剤の顎骨に与える影響を分子生物学的に解明し、革新的なグラフトレス骨増生法を開発することが目的である。 本年度はまず予備実験として、PTH製剤の間欠的投与が骨増生を起こすかを確認するため、ラット抜歯モデルを作製して抜歯後からPTH製剤の間歇的投与を行った。その結果、申請者らがすでに報告した通り、骨の減少は抑制され、骨量が増大していることが示された。そしてその増加量は以前申請者らが報告していた以上の量であったことから、デンタルインプラントを埋入後にPTH製剤を間歇的投与するだけでも、インプラント周囲骨組織が大幅に増大して、結果的にグラフトレス骨増生が可能になると考え、開発したラット用インプラントを用いて現在PTH製剤を間歇的投与している実験を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はPTH製剤の局所的間歇的投与だけでインプラント周囲骨組織が増大する可能性が見出されたことから、ドラッグデリバリーシステムの構築に関しては検討の段階にとどまるも、成果は十分に出ていると考えられ、総合的に判断しておおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット抜歯窩治癒後にインプラント(新規に開発したラット用)を埋入後、PTH製剤を一定期間間歇的投与して得られたサンプルを用い、組織形態多顎的解析、免疫組織化学的解析、走査型電子顕微鏡解析、マイクロCTによる三次元的構造解析など多面的な検索を行い、PTH製剤間歇的局所投与型のインプラント埋入後グラフトレス骨増生が可能なのかどうかを詳細に検討する。同時に装置を購入してドラッグデリバリーシステムの構築も検討してゆく
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Causes of Carryover |
1531円は物品費等に使用後の端数金額である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の予算と合わせて遅滞なく使用する。
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Research Products
(14 results)