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2015 Fiscal Year Research-status Report

海馬の疼痛記憶形成異常仮説による舌痛症モデル動物の構築と解析

Research Project

Project/Area Number 15K15730
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

柳川 徹  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10312852)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田渕 克彦  信州大学, 医学部, 教授 (20546767)
Project Period (FY) 2015-04-01 – 2017-03-31
Keywordsneuroligin / 舌痛症
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、舌痛症などの原因不明の疼痛が海馬の疼痛の記憶の形成異常であるという仮説を立て、シナプスに変異のある遺伝子改変マウスを利用して、疼痛刺激のシグナルの異常を海馬で調べることによって、舌痛症のメカニズムの基礎を解明することを目的としている。
平成27年度は以下のような実験を行った。
1)疼痛モデルの制作:疼痛時に発現する疼痛記憶を免疫組織化学的に確認するモデルを製作するために、マウスの下肢のフットパッドにComplete Freund Adjuvant (CFA)を 0.1mlと対照群にPBSを等量注入し、 IDO-1の海馬での発現を調べる実験モデルの制作を開始し、疼痛の刺激や時期、免疫染色との条件検討を行った。
2)遺伝子改変マウスの選択と制作:シナプスの成熟異常遺伝子改変モデルマウスのターゲットとして、neuroligin-2を選択し、shRNAの子宮内エレクトロポレーションを行い解析の対象を制作した。胎児の側脳室にneuroligin-2特異的なshRNAの配列を含むプラスミドベクターを、pCAG-EGFPプラスミドベクターとともにエレクトロポレーションを行い、脳室周辺の分裂期の神経芽細胞に導入し、EGFPのシグナルを指標に選択した。
3)急性海馬スライスに対するパッチクランプによる遺伝子改変モデルマウスニューロンの活動の差異を測定: 遺伝子導入個体について、急性海馬スライス切片を作成し、neuroligin-2 shRNA導入錐体ニューロンを識別し、パッチクランプを行った。また、テトロドトキシン非存在下で電気刺激により誘発される抑制性シナプス応答(IPSC)を解析した結果、neuroligin-2 shRNA導入ニューロンではIPSCの振幅の低下が見られた。これらのことから、neuroligin-2遺伝子の発現抑制により、抑制性シナプス機能が低下していると推測された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

動物モデルに対する組織学的探索については、条件設定が難しく、本年度中に完了しなかったが、基礎的なマウスについてはneuroligin-2をターゲットにして子宮内エレクトロポレーションによって、neuroligin-2 shRNAを導入してモデルを作ることによって、海馬スライスでのパッチクランプの基礎的な解析は順調にすすんだため、進度としては、おおむね順調と考えられる。

Strategy for Future Research Activity

今後はシナプスの成熟異常遺伝子改変モデルマウスのターゲットとして、neuroligin-2を選択し、shRNAの子宮内エレクトロポレーションを行い解析の対象となる遺伝子改変マウスを絞り、現在、進度のやや遅れている、動物の疼痛のモデルの組織学的解析を継続するとともに、海馬スライスでのパッチクランプの基礎的な解析を継続していく。また、予定されていた行動解析については、基礎的解析の進行状況によっては変更も視野に検討する。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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