2016 Fiscal Year Research-status Report
骨格発生においてヘッジホッグ蛋白の移動を制御する細胞表面分子ネットワークの同定
Project/Area Number |
15K15732
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大庭 伸介 東京大学, 大学院医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20466733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 雄一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30345053)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 発生・分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、遺伝子改変マウス・胚性幹細胞における機能解析、及びイメージングと生化学的手法を駆使することで、骨格発生においてHhの細胞表面制御に関わる分子群の作用とその分子ネットワークの統合的な理解を目指している。Hhの細胞表面制御分子ネットワークを同定することは、内因性フィードバックシステムを利用した適切かつ効率的なHhシグナルの操作を可能とし、Hhの骨再生効果を飛躍的に高める手法の開発に貢献するものと期待される。 本年度は、細胞表面制御の根幹をなす、骨組織におけるIhh産生細胞について新たな知見が得られた。これまでに知られている全肥大・肥大軟骨細胞に加えて、別の細胞種もIhh産生能を有することを示唆するデータが得られた。まず、骨組織に存在する各種細胞種間の相互作用を細胞培養系で解析したところ、軟骨細胞以外の細胞から産生されたIhhがこの相互作用に関与する可能性が示された。次に、マウスの成獣骨組織においてin situ hybridizationによるIhh遺伝子の発現を検討すると、軟骨細胞以外のIhh発現細胞を確認することができた。最後に、新たに同定したIhh発現細胞種において特異的に活性化するプロモーター下でCreを発現するマウスとIhh-floxマウスを交配し、Ihhを特異的に除去したマウスを作出し、骨組織の表現型解析を行った。その結果、この細胞種において産生されるIhhが骨形成や維持に関与することを示唆するデータが得られた。 また、ES細胞の分化系を用いた機能喪失系におけるRNA-seq解析(トランスクリプトーム解析)も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初の計画通り、遺伝子改変マウスにおける解析に加え、ES細胞の分化系を用いたトランスクリプトーム解析まで施行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初研究計画に沿って、イメージングや生化学的アプローチによる解析に進む。
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Research Products
(9 results)