2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K15744
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
西山 廣陽 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60749563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 玲緒 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (60607985)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 口腔癌 / non-coding RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
長鎖非コードRNA(long noncoding RNA:lncRNA) の細胞・生命活動における重要性が、ここ数年で次々と明らかになってきた。さらにはcompeting endogenous RNA (ceRNA)、すなわち「miRNA を介したRNA 同士の制御機構」という転写因子を中心とした遺伝子発現制御とは次元の異なる調節機構の概念が提唱された。しかし、このceRNA というコンセプトの検証は未だ進んでおらず、特に癌におけるceRNA の概念の正当性や機能的意義に関してはほとんど分かっていない。本研究は口腔癌を対象としてceRNAのコンセプトの正当性を検証し、口腔癌におけるその機能的・病的意義を明らかにすることを目的とする。まずTCGA(The Cancer Genome Atlas)にて公開されている頭頸部癌のRNASeqデータ解析を行い、非癌部に比べて癌部で有意に発現上昇を認める14種類のlncRNAを同定した。次に口腔癌細胞株での実際の発現レベルをqRT-PCRで検証し、中でも発現が高い6種類のlncRNAを候補とし、siRNAを用いたcell viability assayでの機能的スクリーニングを行った。その結果、最も細胞増殖を抑制した1種類のlncRNA(lnc-A)を最終候補として更なる解析を施行した。複数の口腔癌細胞株を用いてcell viability assay,migration assay,wound healing assay,invasion assayを施行したところ、lnc-Aをノックダウンすることで癌細胞の増殖、遊走、浸潤が抑制されることが確認された。またフローサイトメトリー解析ではlnc-AをノックダウンすることでG2期停止が誘導され、lnc-Aが口腔癌においてoncogenicに働いていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RNAseqのデータ解析より口腔癌での発現が高いlncRNAの候補リストを作成し、機能解析の結果癌の進展に関与し得るlnc-Aを抽出することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終候補となったlnc-Aが口腔癌においてceRNAとして機能し、癌の進展に寄与し得るのか検証予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は最終候補となるlncRNAを抽出したが、今後論文として投稿した場合、繰り返し実験を行いより良いデータを提示する事や当初予定していなかった実験データを要求される可能性が高いため、その候補を選び出す過程ではスクリーニング目的に比較的コストの低い実験を中心に行い、高額な試薬、キットを必要とする実験は極力回数を抑える様に考慮した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終候補となったlncRNAの更なる機能解析及びこれまでの実験結果の再現性を確認するために使用予定である。
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